薄桜鬼+
□ねぇ?
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「ねぇ烝さん?」
「ん…?」
「私の事、好きですか?」
千鶴と二人、縁側で日なたぼっこをしていると、にこにこと穏やかな笑顔で尋ねてきた。
なんの脈絡もなく、それは唐突に。
「な、なななな、なに、を…」
「だから、烝さんは私の事、好きですか?」
愚問だ。
好いていなければ貴重な非番の時間をこうやって過ごしたり、朝の睡眠時間を削って朝餉の準備を手伝ったりしない。
「…俺の気持ちは伝わってないか?」
「そういうんじゃないですよ…ただ…」
「なら何故そんな事を聞くんだ?」
「…………もう良いです」
その一言を最後に千鶴はそっぽ向いて黙り込んでしまった。
(女子は難しい……)
また俺も考えながら沈黙を保つ。
(素直に答えるべきだったか…)
気付かれない様にちら、と様子を伺う。
「!」
いつから見ていたのか、ばちりと目が合い俺達の間には奇妙な沈黙が流れた。
「なんですか?」
「君こそ…」
質問を質問で返すなんてなんて卑劣なんだろう。
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