薄桜鬼+
□甘く痺れる金縛り
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「…誰ですか?」
ふと、気配を感じて目を覚ますと枕元には風間さんが座っていた。
「ひっ!?」
「…騒ぎ立てるな。何もしやしない」
紅い双眸で見据えている。
屯所の中までどうやって侵入したんだろう。
夜中は羅刹隊の人達が警護しているのに。
「どうして私の部屋にいるんですか?」
「さして理由はない。近くを通りかかっただけだ」
なんだか目が据わっている。
…恐いなぁ…。
「………はぁ、そうですか」
「強いて言えばお前の顔がみたくなった」
「な、なんなんですか、強いてって」
ふん、と言い捨てる風間さんがずい、と近付いてくる。
「むきになるな。俺が会いにきて嬉しいだろう?」
「痛っ、誰がですか」
手首を引かれて端正な顔が眼前に迫ってきた。
「ふん、いい加減素直になれ」
息のかかる距離まできてやっと気が付く。
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