聖華の夜に
□プロローグ
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ここは、魔法使いに支配された世界
でも、人間と魔法使いは日々助け合いながら暮してきた
でも、いまではそれは昔のこと
平和に暮していたこの世界に、突然悲劇の時代(とき)が訪れた
それは、あの計算されていた事故がはじまり
『ディーク』
彼らさえいなければ
彼らさえ現われなければ
この世界の結末(みらい)は決まらなかっただろう
そして、彼女が消えることもなかっただろう
―――ディークなんて
魔法使いなんて
大嫌いだ――
『絶対帰って来るからね。そのときまで、この石は持っててね』
「うん、絶対よ」
2人はキレイな石を見せ合った。そして、涙の別れをした。
おぼえてる?あの約束。10年経った今でも私は覚えているよ。
あの、守ることができなくなった約束を...