聖華の夜に

□思い出〜ソラと劉輝1〜
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オレは生まれたときから契約者が決まっていた。
オレは生まれながらも進む道が決まっていた。
オレに『自由』はないのか?

「ソラ〜!」
野原を駆ける少女の声。少女はきれいなオレンジ色の髪の持ち主。
そして、将来‘王’となる運命のもの
   セイカ・テール
「セイカ!」
セイカが向かっている先には、木にもたれかかっている少年がいた。
彼も運命を定められている者だった。
‘お前は、立派な魔法使いになるんだ。レニティー家に恥をかかせないようにな’
彼の父はいつも彼に言っていた。彼の名は
   ソラ・レニティー
セイカがソラの目の前に来た。
ソラもセイカも同い年で、今は4歳。まだ小さな子共なのに、2人はやけに大人びていた。昔からそういう教育をうけていたから。
セイカ「ソラ〜、またボーッとしてたの?」
ソラ「うるさいなぁ。オレはここが好きなだけなの」
セイカ「そうなんだぁ。私もここ好きかも」
セイカはニコッとし、ソラの隣に小さな体を座らせた。
ソラ「・・・セイカ・・・」
セイカ「ん?なぁに?」
ソラ「オレさぁ、人間界にいって、契約者に会うことになった」
セイカ「人間界ぃ!やったぁ!よかったじゃん!」
セイカが頬を少し赤く染め、ニコニコとソラをみた。
ソラ「う・・うん」
セイカ「がんばってね!契約者と仲良くなれるといいね」
ソラ「・・・ありがとう、セイカ」
複雑な気持ちでソラはいった。
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