聖華の夜に

□約束〜別れ、そして・・・〜
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あっという間に別れの夜は訪れた。あのときからこの時間まで2人は一回もあっていない。
その日の夜は、霧が出ていて、ちょうど聖華と水月があった日のように懐かしいものだった。
聖華は公園のブランコの前に立って水月を待つ。
水月「お〜い!聖華〜!」
水月の声がした。水月が聖華のもとに駆けてきた。
聖華「水月」
聖華の目の前に来た水月は、息切れをしながら、聖華をみる。
水「はい!これあげる!」
水月は聖華に片手を差し出した。その手の中には、何かがあった。そしてそれを聖華は受け取った。
聖「・・・ネックレス・・・」
聖華の手のなかにあったのは、ビーズでできたネックレスだった。真ん中には青色の石が付いている。
聖華が水月をみた。聖華をみる水月の目には、涙が溢れていた。
聖「み、水・・・」
水「それね、私が作ったんだ、聖華が・・・私のこと・・わ、忘れないように・・・・」
水月の目から涙が溢れ出す。
聖華の目からも涙が溢れ出した。
聖「・・・ありがとう・・・。大事にするよ。私もこれ、あげるね」
聖華が水月に手を差し出す。そして、水月は聖華の手の中のものを受け取る。
水「き・・・キレイ・・・」
水月の手の中にあったもの、それはみかん色に光る石だった。
水月はそれを大事に両手で包み込んだ。そして、聖華は水月に抱きついた。
聖「絶対・・・絶対帰ってくるからね。それまでこの石は持っててね」
水「うん、絶対よ」
こうして2人は別れた。

次の日の翌朝、水月は部屋から出てきて、テレビをつけた。そこには、ちょうどニュースがやっていた。
そのニュースの内容はこうだ
『昨夜、アメリカ行きの飛行機が魔法使いのある組織により、海へと落下しました』
―――・・・あれ・・・?聖華は確か・・・アメリカ行きだ!!
水月はそのニュースにくいついた。そして、テレビ画面をみて、絶句した。
水「・・・・聖・・・華・・・・」
テレビ画面に映ったもの、それは死亡者の名前だった。そこには確かに『聖華』の文字があった。
―――。。。なんで?約束したじゃない・・・
水月の目から涙がこぼれ出る。
―――なんで。。。。なんで・・・・
水月と聖華の約束は、こうして守れない約束となった

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