魔法少女リリカルなのは〜風を纏う者T〜

□〜再会〜
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そして翌日。
今日は休日のため、朝から和臣に連れられ、とある一軒家にやってきた和人。
家の表札には『高町』と書かれていた。
和臣がその家のインターホンを押して数秒後、家のドアが開き、一人の少女が出迎える。


「はぁい。どちら様ですか?」


「ああ、士郎君の娘さんかい?君のお父さんに用があるのだけど……って、二人とも固まってどうした?」


和臣の問いに二人は答えることなく、お互いの顔を見合っていた。
なぜなら、あの夜に出会った人物が今目の前に立っているのだから。


「「ああぁー!」」


そして二人はほぼ同時に声を上げた。










その後、和人と和臣は高町家の道場へと移動し、この家の主である高町 士郎とその息子である恭也と娘の美由紀に挨拶をして、簡単な自己紹介をした。
それが終わると恭也と美由紀は中断していたのであろう素振りを始めた。
和臣と士郎はなにやら話を始めてしまったので、和人は例の少女、なのはに話し掛けた。


「まさか、じいさんの知人の道場ってのが君の家だったとはね」


「あはは、そうですね。私もまさかこんな形でまた会えるなんて思いませんでした」


お互い突然の再会だったため、笑い会う二人。そんななのはの肩に一匹のフェレットもどきが姿を見せる。

「ん?君は喋るフェレットもどき君!」


和人のその発言にずっこけるフェレットもどき。


「僕はフェレットもどきじゃないし、ユーノ・スクライアっていうちゃんとした名前があるんだ!」


ユーノの必死の自己紹介に苦笑するなのは。そして、三人が自己紹介を終えると、ユーノが話を切り出してきた。


「それで、和人はどうしてあの時あそこに現れたんだ?それに魔法まで使える。どうしてだい?」


ユーノは今まで思っていただろう疑問を和人にぶつける。なのはも気になるのか和人を見つめる。


そして簡単にではあるが和人は話し始めた。
管理局の人に次元空間から助けられ、それをきっかけに魔法の存在を知ったこと。さらにそこで魔法の基礎を学び、今でも訓練をしていること。
それらを二人が納得するまで嘘偽りなく話した。


和人は話し終えると、今度は自分の思っていた疑問を二人に問いかける。


「それじゃあ、今度はオレの質問に答えてもらう。っといっても、大したことじゃない。君たちが何の目的で動いているのか、だ。場合によっては手伝えるかもしれないしな」


そう言う和人の質問に二人は一度互いを見合い、和人を信ずるに値すると見たのか頷きあい、話し出した。





数分後、二人の話を聞いて納得した和人は、結論を述べた。


「要するに、二人はジュエルシードなるものをすべて回収するために動いていると……。
よし、それならばオレも微力ながら協力しよう」


和人の返事に二人は喜びあう。
そして話が一段落すると、和人は和臣に呼ばれてそちらへ行く。
なのは達は道場の入り口で見学することにしたのか、座ってみていた。



「そろそろ始めるが準備は良いか?和人」


「ああ、いつでもいいぜ!じいさん」


和人の快い返事に満足する和臣。
そして、今回の相手が発表された。


「お前さんの相手をしてくれるのは、この恭也君だ!かなりの腕前のようだからな、特別にハンデを設けることにした」


対戦相手の発表と同時に特別ルールが設けられた。


「お前は制限時間三分以内に恭也君に一撃でも有効打を入れた場合、勝ちとする。もちろん、お前が再起不能となった場合は負けだ!わかったな?」


和臣の説明に一言で返事をし、恭也と対峙する和人。
恭也の両手には長さの違う木刀が持たれていたが、和人のその顔に一切の油断もおごりもなかった。


そして、和臣の掛け声で試合が始まった。



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