魔法少女リリカルなのはViVid〜時を越える願い〜

□〜遊びと訓練〜
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「あたしいっちばーん!!」


水着に着替えたメアリス達は、さっそく川へと移動し、リオが我先にと川へ走っていき、メアリス達もそれに続く。


「アインハルトさんも来てくださーいっ!」


そんな中、川に行くのをためらうアインハルトにヴィヴィオが声をかけて招くと、ノーヴェも後押しする。


「ノーヴェさん。できれば私は練習を……」


アインハルトは戸惑いながらノーヴェに小声で言うが、


「まあ、準備運動だと思って遊んでやれよ。それにあのチビ達の水遊びは結構ハードだぜ」


ノーヴェはそう笑って答えて、アインハルトはその言葉に疑問を抱きつつも上着を脱いでヴィヴィオ達の下へと行った。


「じゃあ、向こう岸までの往復。みんなで競争ー!!」


アインハルトが来てちょっと経って、コロナのその提案に皆賛成して、一斉に泳ぎ始める。


(……あれ?みんな速い!?)


泳ぎながらアインハルトは、自分がヴィヴィオ達に遅れを取ってることに気付く。
そのあとも元気に遊ぶヴィヴィオ達と一緒に体を動かしていたアインハルトだったが、パワフル過ぎるヴィヴィオ達についていけずに休憩に入ってしまった。


「やっぱり水の中はあんまり経験ないか」


そんなアインハルトにノーヴェが近付き話す。


「体力には自信があったんですが……」


「いや、たいしたもんだと思うぜ。あたしも救助隊の訓練で知ったんだけど、水中で瞬発力出すのはまた違った力の運用がいるんだよな」


「じゃあヴィヴィオさん達は……」


「なんだかんだで週2くらいか?プールで遊びながらトレーニングしてっからな。柔らかくて持久力のある筋肉が自然に出来てんだ。どーだい、ちょっと面白い経験だろ?何か役に立つことがありゃさらにいい」


「はい……」


アインハルトはそんなノーヴェの話に小さな笑顔をこぼした。
















「アインハルトちゃん、楽しんでくれてるかな?」


「ヴィヴィオ達が一緒ですし、きっと大丈夫です」


一方、ルーテシア設計のアスレチックでトレーニングしていたなのは達。その休憩時間になのはとスバルは楽しそうに話をしていた。


「ノーヴェ師匠もついててくれるしね」


「ありがとうございます」


なのはの言葉に素直にお礼を言うスバル。


「ところでみんなは大丈夫ー?」


そこまで話したなのはは、高台の下にいる人物達に声をかける。そこには息を切らすフェイト達がいて、見るからに大丈夫そうではなかったし、グレイルに至ってはうつ伏せになって動きが完全に止まっていた。


「休憩時間延ばそうかー?」


「だ……だいじょーぶでーすっ!!」


「バ……バテてなんか……いないよ……?」


そんななのはの言葉に強がってみせるフェイト達。
そんなフェイト達の後方から物凄い勢いで走ってくる二人がいた。その二人は横一線でフェイト達の横を走り抜け、設置されたアスレチックをこなし、なのはとスバルも追い越していってしまった。


「……あの二人はいつまでやってるんだろうね……」


「もう3周目ですよね……」


なのはとスバルは追い越していった二人の後ろ姿を見ながら苦笑して話す。その下ではフェイト達も同じ話をしていた。


「和人さんもルエナさんも異常です。どこにあれだけの体力があるんですか!」


「二人とも基礎体力は異常にあるからね。あのままだと決着は着かないんじゃないかな?」


「グレイルさん、大丈夫ですか?エリオ君、グレイルさんから生気を感じないよ!」


「グレイルさん!しっかりしてください!フェイトさーん!グレイルさんがー!」


「オ……オレが死んでも……ヴィヴィオ達のことを……頼……む……ガクッ」


「「グレイルさーん!」」


フェイトとティアナが話している少し後ろで、グレイル達はそんな寸劇をしていたりした。その時点でまだ大丈夫なのは伺えた。









「いいかげん身を引いたらどうだ?ルエナ。いくらテイルの彼女でも、これだけは譲れないぞ?」


「あら?もしかしてバテてきた?それなら早く休んだ方がいいわよ?」


「オレがバテるだって?バカ言うなよ。ただこのままだとラチが明かないからルールを変更したいだけだ」


横一線で走りながらアスレチックをやる和人とルエナは、話をしながら互いを挑発する。


「『先にアスレチックをクリアした方がヴィヴィオ達の方に合流できる』って条件を変えるの?」


「付け足しだ。次の周回から相手の妨害も有りにする。どうだ?」


「あら?それだと私は武器も使っていいのかしら?」


「ご自由に。どーせ当たりゃしないしな」


「言うじゃない。いいわ、次の周回であなたの息の根を止めてメアを私の妹にするわ!」


「なるわけねぇだろ?勝つのはオレだからな」


そんな話をしていると、またアスレチックのスタートまで来た二人。
そして4周目に突入したのと同時にルエナは右手に剣を作りだして和人に斬りかかかり、和人はそれを捌きながら動きを止めない。
そんな凄まじい攻防を繰り広げながらアスレチックをきちんとこなしていく。
そしてまたなのは達のいるアスレチックに差し掛かると、周りのことなどお構いなしに戦いながら、疾風のように駆け抜けていった。


「何で戦いながらになってるんだろ?」


「……何ででしょうね?」


「とりあえずあの二人はもうヴィヴィオ達の方に行かせた方がいいかな?このままだと私達が危険だね」


「決着が着くまで止まりそうにないですけどね……」


なのはとスバルはそこまで話して大きなため息を吐いてしまう。

その後、和人とルエナの勝負は9周目にまでおよび、結局二人ともバテて決着は着かなかった。



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