魔法少女リリカルなのはViVid〜時を越える願い〜

□〜湯煙珍騒動〜
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パンッ!パンパンパンッ!

陸戦場から少し離れた場所で、ヴィヴィオ達は体を動かしていた。


「どーです?こういうミット打ち、練習になります?」


ヴィヴィオは大きなミットを持って、そこに打ち込んでくるアインハルトに質問をする。


「古流の型打ちとはだいぶ勝手が違いますが……」


話しながらもアインハルトは次々と拳を打ち込んでいく。


「良い練習になりそうです」


(アインハルトさん、やっぱりすごいな)


アインハルトの打ち込みを受けたヴィヴィオは、嬉しそうにそう思い、


「良かったです」


喜んでいた。


「ヴィヴィオ〜。わたしはいつまで待てばいいかな?」


そこへメアリスがずっと待たされていたために声をかけると、ヴィヴィオも慌てて反応する。


「ごめんね、メアリスちゃん。そろそろ交代しようか」


「すみません、メアリスさん」


ヴィヴィオに続き、打ち込みに夢中になっていたアインハルトも謝ったが、メアリスは気にしないでといった感じで手を振り、三人はそのあと交代交代でミット打ちをやっていった。











「みんなホント元気でいいわねー」


家の掃除をしながら訓練をモニターで見ていたメガーヌは、嬉しそうにしていた。


「まだまだ若い連中ですからね。あのくらいは動かないとダメですよ」


「いや、まったく」


そんなメガーヌの言葉に反応したのは、同じくモニターを見ていたテイルと、おつかいに来たセインの二人だった。


「セインはいいの?みんなと遊んで来なくて」


「いやぁ、あたしは教会から新鮮野菜とたまごの差し入れに来ただけだから」


「とか言って、本当は遊びたいんだろ」


真面目ぶってるセインにテイルは笑いながら言葉をかけると、セインもつい本音が漏れてしまう。


「そ、それはそーなんだけど!
ま、せっかくだから軽く温泉サプライズの一つも仕掛けて、みんなを楽しませてやっかなーとは思ってるけど」


セインは言って何か企んだ顔をして笑っていた。











「じゃあ、午後のトレーニングはここまで!」


「「「「お疲れ様でしたー!」」」」


陸戦場では丁度日の沈みかけた時間にトレーニングが終わり、スバル達は揃ってアルピーノの家へと向かっていった。


「おつかれさまでーす」


そんなスバル達に近づいて合流するリオ達。


「あー、おつかれー」


近づいてきたリオ達に返事を返したスバル。しかし、人数が少ないことに気付いたスバルは、


「あれ、ヴィヴィオ達は?」


「三人で一緒に練習中です。
たぶんまだ夢中でやってると思いますよ」


スバルの問い掛けにリオがすぐに答えて、そんな一同はヴィヴィオ達とも合流するため歩きだした。










「やっぱりずっとやってたんだ」


「あははー。ちょっと気合い入っちゃって」


無事ヴィヴィオ達と合流した一同。コロナはやっぱりと言ってヴィヴィオ達に言葉をかけると、ヴィヴィオは笑いながら答えていた。


「近代格闘技のミット打ちもなかなか面白いだろ?」


「はい……良い練習になりました」


ノーヴェはアインハルトと話をしながら歩いていて、アインハルトもわりと楽しそうに話していた。


「パパとなのはさん達はまだ陸戦場ですか?」


メアリスはこの集まりの中に和人達の姿がないことに気付き尋ねる。


「少し残って練習の仕上げだって」


「和人さんとグレイルさんはたぶんまだ動けないだけかな……」


キャロはなのはとフェイトのことを話し、エリオが和人とグレイルのことを話すと、メアリスは心配になったのか陸戦場へ行こうとするが、ティアナがそれを笑いながら止める。


「大丈夫よ、メア。和人さんはたぶんもう復活してるから。今頃グレイルさんと話でもしてるわよ」


「……ティアナさんが言うなら信じます」


メアリスは言って向き直り、皆と一緒の方向に歩き始めた。


「さて、お楽しみはまだまだこれから!
ホテルアルピーノ名物。天然温泉大浴場にみんなで集合ね!」


ルーテシアがそう言うと、皆は良い返事をしてそれに応えた。













〜天然温泉大浴場〜

「あ〜〜すっごいいい湯加減〜〜」


「ほんとです〜〜」


湯に浸かりながらティアナとキャロは素直な感想を述べる。


「あっちの岩造りのところが熱〜いお湯ね」


「わーい。熱いの好き〜」


ルーテシアの説明を受けたリオは嬉しそうに声を出し、


「で、向こうの滝湯はぬるめだからのんびりできるよ」


「「「滝湯!?」」」


次のルーテシアの説明にヴィヴィオとメアリスとコロナが反応した。


「新しく作ってみたんだけど、けっこうオシャレじゃない?」


「すごいすごーいっ!」


「あ、ちょっとぬるめで気持ちいい〜!」


「ゆっくり楽しんでねー」


ルーテシアは楽しそうにしているヴィヴィオ達にそう言って、スバル達の方へ移動していき、


「湯加減どう?」


「もおサイコ〜」


「まったく」


スバル達に尋ねると、スバルとノーヴェは即答した。


「しかしアレだな……前来たときより、またパワーアップしてんな」


「建築デザインとか設備設計って楽しいんだよね」


「私も手伝ってるしね〜」


湯に浸かろうとするルーテシアの後ろから、言いながら近寄ってきたのはルエナだった。ルエナはルーテシアの隣に座って湯に浸かると、やっぱりルーテシアを抱き寄せる。


「こ、この温泉もロッジの改築もお遊びレベルだけど……ルエナ、熱いよ……」


ルーテシアは言いながら施設の設計図を出すが、お遊びレベルと言ったルーテシアを全力で否定したスバルとノーヴェ。


「火照ったルーテシアも可愛いんだから」


「ま、まあ、みんなに評判いいのは嬉しいな。
みんなが泊まりに来てくれて、笑顔になってくれたらすごく嬉しい。
……ルエナ〜熱いよ〜」


「んなもんめちゃめちゃ笑顔だっつーの」


「ほんとほんと」



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