魔法少女リリカルなのはViVid〜時を越える願い〜
□〜告げられし想い〜
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メアリス達がインターミドルの参加登録書を提出した日の夜。アルピーノの家にいられる最後の夜とあって、ホテルアルピーノでは賑やかなパーティーが行われていた。
「はいパパ!私が(ちょっとだけ手伝って)作ったグラタン!食べて食べて!」
「おお!美味しそうだな。じゃあいただくかな」
「グレイルパパ!わたしも手伝って作ったんだよ?」
「そうか。ならゆっくり味わって食べないとな」
「グレイル、わ、私も頑張って作ったんだけど……」
「わかってるよ。ありがとう、フェイト」
「うん、どういたしまして」
(グレイルにありがとうって言われちゃった……)
「お前は手伝ってなかったな」
「私は味見担当よ。結構重要なのよ?」
「単に料理できないだけ……うっ……」
「何か言った?テイル?」
「イヤ、ナニモイッテナイ」
「アインハルトさんは好き嫌いとかないんですね」
「はい、食にこだわりはありませんが、特に食べられないものとかは……」
「うらやましいなー。わたしなんて嫌いなもの多くて……」
「わたしも……」
「あの……コロナさんもリオさんもあまり気になさらないでいいかと……」
「あんた、相変わらず恐ろしいくらい食べるのね」
「はに、ひあ(なに、ティア)?」
「それはエリオ君もですね」
「僕は普通だと思うけど……」
「「いや、普通じゃないから」」
「お嬢、テイルさんに甘えなくていいのか?今日を逃すとまたしばらく会えなくなるぜ?」
「ノ、ノーヴェこそウェンディがいない今、甘えなくていいの?ルエナはいるけど、そのくらいの配慮はしてくれるよ?」
「バ、バカ!あたしがそんなことするか!あたしはお嬢のことを思って言ってやったのに!」
「あらあら、2人共素直じゃないわね」
「「うっ……」」
「あ、あれ?私だけ1人……なの?」
和人とメアリスは親子で仲良く食事を開始し、グレイルとヴィヴィオ、フェイトも仲睦まじく団らん。テイルとルエナは夫婦漫才を繰り広げる。
アインハルトとコロナ、リオは好き嫌いの話で盛り下がり、スバル、ティアナ、エリオ、キャロのフォワードチームは相変わらずのスバルとエリオの食べっぷりの話で盛り上がる。
ルーテシアとノーヴェは互いにテイルに甘えるのを促し合い、素直じゃない2人にメガーヌがやんわりツッコミ、いつの間にか乗り遅れたなのはは1人で寂しく料理を食べていた。
パーティーも開始から1時間が過ぎ、皆が盛り上がってきた中で大人達にお酒が入り出しさらに賑やかに。
メアリス達子供組もインターミドルの話で盛り上がり、パーティー中にも関わらず過去のインターミドル映像を観たりしだしていた。
「グレイル!お前も酒飲めよ!まさか飲めねーなんて言わねーよな?」
「ひっつくな酔っぱらい。飲めないことはないが、あんまり飲むと明日死ぬ」
「お前の嫁だってもうあんなだぜ?」
軽く酔っているテイルは言いながらなのはやメガーヌと笑いながら話すフェイトを指差す。
「嫁じゃない!まだな……」
「まだ?」
「な、なんでもない!それより和人は飲まないのか?」
「オレか?オレは禁酒令が出てる。みんなから……特に女性から」
「……禁酒令?」
「禁酒令」
(何したんだ和人は……)
後の方を小声で言ったはずが、テイルに聞き取られて誤魔化しにかかったグレイルは和人に尋ねると、和人はそんな返しをしてきて、グレイルは苦笑するしかなかった。詳しくは短編小説〜お酒は飲んでも〜を参照。
「テーイルっ!チューしよー?」
そんな男3人衆に酔っぱらいルエナが乱入。テイルを後ろから抱き締めて顔を強引に向けてキスを迫る。
「お・ま・え・は!悪酔いしすぎだ!」
「……チューしてくれないとぉ……ルーテシアを食べちゃうぞ?」
ガタッ!ルエナがそう言った瞬間、聞こえていなかったはずのルーテシアが、インターミドルの映像を観るのをやめて突然立ち上がり外に全力ダッシュ。それを見たルエナもその跡を全力で追い掛け始めた。
「ルーテシアー!優しくするからー!」
「イヤー!私そんな道に踏み込みたくないー!」
「大丈夫よー!すぐに慣れるわー!」
「ガリュー!ルエナを抹殺して!お願いッ!」
「受けて立ーつッ!ガリューが負けたらルーテシアは……ムフフ」
(((アホだ……)))
それを和人達は呆れながら見送っていた。それから数十分後に完全に酔いが覚めたルエナと、全力で逃げ切ったルーテシアと、ボロボロのガリューが戻ってきて、ひとまずルーテシアは大丈夫だったことはわかったのだった。
「あっ!この人ウチの学院の風紀委員長ですよ!」
熱中して一昨年のインターミドル都市本戦の試合を観ていたメアリス達。その中に知った人物を発見したメアリスが声を上げる。
「学院内でも有名ですから、アインハルトさんも知ってますよね?」
「はい。カンナ・ビスマルクさんですよね。少しだけお話したことがあります」
「アインハルトさん、お話したことあるんですか!?」
「わたしたちは遠目からしか見たことないよね……」
「お話と言っても挨拶程度でしたから……」
「でも2年前でこの実力ですよ。去年は都市本戦初戦で棄権してますけど、今年も出るはずですし、わたしたちが当たるかもしれない相手です」
「勝てるの、かな……わたしたち……」
そこでメアリス達はカンナ・ビスマルクの試合を観て自信をなくしていく。
(確かに今の私やヴィヴィオさん達では足元にも及ばないかもしれません。でも……)
「今から自信をなくしても仕方ありません。幸いまだ時間もあります」
「そ、そうだよ!アインハルトさんの言うとおりだよ!」
「ですね!」
「インターミドル開始まであと2ヶ月!」
「みんなで頑張ろー!」
「「「「「おー!」」」」」
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