魔法少女リリカルなのは〜風を纏う者T〜

□〜決意〜
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クロノの乱入により、場は沈黙した。
そして、三人が地面に着地したのと同時にアルフがクロノ目がけて攻撃した。それを咄嗟にバリアを張り攻撃を防ぐクロノ。
その隙をついてフェイトがジュエルシードに手を伸ばすが、クロノの攻撃により撃ち落とされる。落ちていくフェイトをアルフは背中で受けとめ、そのまま逃げていってしまった。
クロノは追跡を断念してなのは達に話し掛ける。


「とりあえず君達だけでも話を聞かせてもらう。僕と一緒にアースラに来てもらうがいいかい?もちろん君もだ、和人」


クロノのその言葉に素直に従う三人。
そして、四人はアースラへと転移した。







アースラに乗ってから、ユーノが元の姿である男の子になったことでなのはが驚いたりといったことがあったが、艦長を待たせているため四人はクロノの案内で艦長のいるところへ歩き始めた。


《ねえ、和人君。この人と知り合いだったりするのかな?》


歩いている最中、和人になのはから念話が飛んできた。ユーノも気になるのか、和人を見る。


《前に話をしただろう?次元空間にいたオレを助けてくれた人たちがいるって。それがアースラの人達なんだよ》


和人の説明に納得したのか再び前を見て歩きだした二人。
そしてクロノは、ある一室の前に着くと三人をドアの向こうへ通した。
中には実に見事な盆栽が並べられ、一室が和風な内装にになっていた。その部屋で正座をしてお茶を飲む人物、リンディ・ハラオウンが三人を招き座らせた。


「私はリンディ・ハラオウンです。このアースラの艦長をしています。和人君は久しぶりかしら」


リンディが名のったので、二人も自己紹介をする。

お互いに自己紹介を終わらせたことで、リンディが本題へと移る。
なのは達はリンディに事の経緯を話すように言われ、ゆっくりと話しだした。




数分後、二人の話を聞いてリンディとクロノはこれからの対応について話しだす。


「君達には悪いが、ここから先は僕達時空管理局がロストロギア・ジュエルシードの回収にあたる。
君達は各々、元の世界に帰って普通の生活に戻ってくれたまえ」


クロノのその言葉に素直にうんと言えなかった三人。


「そうねえ、気持ちの整理が必要だと思うから、今日一日考えてそれで私達に連絡を頂戴。クロノ、三人を送ってあげて」


リンディは話を締め、クロノに三人を送らせた。


その後、和人達は元いた場所に戻され、クロノに挨拶をして帰路へとついた。


「ああ和人、少しいいかい?」


突然のクロノの静止に立ち止まり振り向く和人。


「君にその気があるなら、今回の捜索を手伝ってみないか?」


クロノのまさかの発言に眼を丸くする和人。


「オレなんかが手伝ってもいいのかよ?」


「なんだ、以前の君なら喜んで引き受ける話だろうに」


「いや、そりゃうれしいさ。だけど正直、オレよりなのはの方が戦力になるだろ?」


和人は自分が感じた素直な意見を述べる。だが、クロノはそれを切り捨てるように和人に言い放つ。


「確かにあの子の方が優れた能力を持っているだろう。しかし、それでもまだ魔法についての知識は無いに等しい。その点においては君はあの子より優れていると言える。
だから僕はあの子以上に君を評価している」


クロノの正直な言葉に心の底からうれしくなる和人。


「そこまで言われたら手伝うしかないだろ」


そして笑顔でクロノに返事をする。


「そうか、なら今夜九時にもう一度ここに来てくれ。手伝う以上、君にはアースラに滞在してもらうことになるからね」


それじゃあ、と言ってアースラへと転移してしまったクロノ。
一人残された和人は、意気揚々で家へと戻っていった。



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