魔法少女リリカルなのはViVid〜時を越える願い〜

□〜サイレント・ブリーズ〜
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始業式が終わったことでメアリス達はその日はもう放課となり、寄り道に図書館に行くことにした。


「あっ、でもその前に教室で記念写真撮りたいな。お世話になってる皆さんに送りたいんだ。『皆さんのおかげで、ヴィヴィオ達は今日も元気ですよ』って」


それには三人も賛成し、さっそく教室へ行って写真を撮って知り合い関係の人達にその写真を送り、図書館へと足を運んでいった。


「そういえばヴィヴィオとメアリスって自分専用のデバイス持ってないんだよね。それ、普通の通信端末でしょ?」


図書館にやってきてメールを打っていたヴィヴィオとメアリスを見てコロナがそんな質問をすると、二人は顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。


「そーなんだよー。うち、ママとその愛機(レイジングハート)がけっこー厳しくって」


「私もパパが教育方針はなのはさんに任せてるからヴィヴィオと同じく」




「基礎を勉強し終えるまでは自分専用のデバイスとかいりません」


『それまでは私が代役を』





「「だって」」


口を揃えてなのはとレイジングハートの言葉を言う二人に空笑いをするコロナとリオ。


「リオはいーよねー。自分専用のインテリ型で」


メアリスはリオのデバイスを見ながら羨ましそうに言うと、リオのデバイスは何を思ったのか申し訳なさそうに謝ってきた。
そこでヴィヴィオになのはからメールが来て三人は用事なのかと尋ねる。


「あーへいきへいき。早めに帰ってくるとちょっと嬉しいコトがあるかもよ……だって」


それを聞いた四人はさっさと借りる本を決めて帰路へとついていった。


「「ただいまー」」


メアリスとヴィヴィオは一緒に玄関に入ると、リビングへと足を運ぶ。するとそこにはお菓子を焼いているフェイトがいて、ヴィヴィオとメアリスは嬉しそうに歩み寄っていった。


「おかえりー、ヴィヴィオ、メアリス」


「フェイトママ!」


「バルディッシュも」


『ごきげんよう』


ヴィヴィオはフェイトに話し掛け、メアリスはテーブルに置かれたバルディッシュに話し掛けた。


「フェイトママ、艦の整備で明日の午後までお休みなんだ。だからヴィヴィオ達のお祝いしようかなって」


「そっか……ありがと、フェイトママ」


「ありがとうございます。フェイトさん」


「うん。お茶入れるから着替えてくるといいよ」


それを聞いた二人は嬉しそうにヴィヴィオの部屋に行き私服に着替えていった。

ちなみに説明しておくと、メアリスは和人が家を空ける間、高町家にいることになっていて、和人のいない時が多かったため高町家にいることの方が多くなり、衣服類や日用品がほとんどヴィヴィオの部屋にあるのである。しかし家自体がお隣さんなため物を持ち込んだり戻したりは比較的容易なのだ。

着替えを終えた二人はリビングへと足を運び、フェイトの焼いたお菓子を食べながら楽しくおしゃべりをしていった。


そんなことをしているとあっという間に夕方になり、買い物袋を持ったなのはが帰ってきて、フェイトと一緒にさっそく料理を作り始めた。
その途中に家のインターホンが鳴り、ヴィヴィオがそれに対応して玄関を開ける。


「和人さん!おかえりなさい」


ヴィヴィオのその声を聞いたメアリスは素早くリビングから出て玄関へと行き和人に飛び付いた。


「おお〜、可愛いメアリス〜。ただいま〜」


「おかえりなさい、パパ!」


そして和人はメアリスを抱き上げたままクルクルと回りだし、メアリスもそれを喜んでいた。


(バカ親子だ……)


それを間近で見たヴィヴィオはそんなことを思うが、口には決して出さなかった。

その後、和人もなのはとフェイトに加わって料理を作り始め、料理が出来上がると皆でテーブルを囲んでメアリスとヴィヴィオの4年生進級を祝って楽しく食べ始めた。









「さて!今夜も魔法の練習しとこーっと」


「あっ!ヴィヴィオ、私も行くよ」


晩ごはんを食べ終えてしばらくしてヴィヴィオがそんなことを言って立ち上がると、メアリスもそれについていこうとするが、


「あー、二人ともちょっと待ってー」


そんな二人をなのはが引き止める。二人はどうしたのかといった顔でなのはを見て立ち止まる。


「ヴィヴィオとメアちゃんももう4年生だよね」


「「そーですが」」


「魔法の基礎も大分できてきた。だからそろそろ自分の愛機を持ってもいいんじゃないかなって」


「「ほ、ほんと(ですか)!?」」


二人はそれを聞いて嬉しそうにする。


「実は今日、私がマリーさんから受け取ってきました」


フェイトは言いながら二つの箱を取り出して二人に一つずつ手渡した。
二人は仲良く手渡された箱を開けると、ヴィヴィオの箱にはうさぎのぬいぐるみが入っていて、メアリスの箱には光沢のある黄緑色をしたブレスレットが入っていた。


「あ、そのうさぎは外装というかアクセサリーね」


「中の本体は普通のクリスタルタイプだよ」


「メアリスのはパパのサイクロンの兄妹機な」


三人がそんな説明をしていると、ヴィヴィオのうさぎがひとりでに動きだしフヨフヨと浮いてヴィヴィオとメアリスにどもっ!と言った感じで動いて挨拶をした。


「とっ……ととと飛んだよっ!?動いたよっ!?」


ヴィヴィオはその行動に驚きなのはとフェイトの後ろに隠れるが、メアリスはそんなことに目もくれずに自分のデバイスを見ていた。


「それはおまけ機能だってマリーさんが」


「色々とリサーチもしてヴィヴィオとメアちゃんのデータにあわせた最新式ではあるんだけど、中身はまだほとんどまっさらの状態なんだ」


「名前もまだないからつけてあげてって」


なのはとフェイトが二人に話すと、二人は顔をあわせて笑い、


「えへへ……実は名前も愛称ももう決まってたりして」


「一緒に考えてたもんねー」


「そうだママ!リサーチしてくれたってことはアレできる!?アレ!!」


そこでヴィヴィオはなのはの言葉を思い出し尋ねると、なのはは「もちろんできるよー」と返してきて、フェイトはそのやりとりに?マークを浮かべていた。



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