魔法少女リリカルなのはViVid〜時を越える願い〜

□〜アインハルト〜
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〜St.ヒルデ魔法学院・初等科校舎図書室〜


メアリス達はここに足を運んでいた。


「あったあった!これがオススメ。『覇王イングヴァルト伝』と『雄王列記』。あとは当時の歴史書!」


「ありがと、コロナ」


「前にルーちゃんにおすすめしてもらったんだ」


「でもどーしたの?急にシュトゥラの昔話なんて」


四人はヴィヴィオがシュトゥラの歴史について調べたいと言ってきたため、その本を持ち寄りつつリオが理由を聞くと、


「うん、ノーヴェからのメールでね。この辺の歴史について一緒に勉強したいって」


「そういえば昨日、パパに言われて聖王戦争時代の話をしたばっかりだよ?それと何か関係あるのかな?」


「和人さんも!?うーん、どうだろう。あっ!それから今日の放課後ね!ノーヴェが新しく格闘技やってる子と知り合ったから、一緒に練習してみないかって」


そんな話をしながら四人は楽しそうに本を開いていった。












「……すみませんでした」


職員室にいた和人は、アインハルトが学校に来たことを知ってさっそく呼び出したのだが、アインハルトは和人のところへ来るなり突然頭を下げて謝ってきたため驚く和人。


「……えっと、それは何に対する謝罪かな?」


「その……昨日の件についての謝罪です」


「ははっ!そんなの気にしてないよ。むしろ楽しませてもらったからね」


笑ってそう言う和人に調子を狂わされてしまうアインハルト。


「それであの……今朝ノーヴェさんと一緒に警防署へ行って、もう襲撃者紛いの事はしないと約束してきました」


「そうか。それならオレはもう何も言うことはないな。呼び出したのもその件でだしな」


「そうでしたか……お気遣い感謝します」


「話はそれだけだが、ノーヴェはオレに何か文句を言ってなかったか?」


その問い掛けに口をにごすアインハルト。それを見て和人は理解したのか、


「言ってたんだな。まあそう仕向けたから怒っちゃいないが、たまには予想外なことが起こってくれないとオレとしては面白くないんだよなぁ」


その呟きでアインハルトはティアナの言っていたことが何となく理解でき、苦笑いを浮かべていた。


「それとノーヴェさんが放課後に聖王のクローンと会わせて下さるらしいです」


「クローンとか言わないでやってほしい。あの子は生まれこそ特殊だが、普通に生きてるからな」


それにはアインハルトも失言だったと反省しすぐに謝った。
それで立ち去ろうと和人に一礼して歩きだすアインハルト。


「ああ、それなら多分うちの娘もいるだろうから一つ注意しとくよ」


アインハルトは振り向いて止まり話を聞く。


「娘を怒らせないようにしろ。それだけ注意してくれれば優しい子だからさ」


「はぁ……気を付けておきます」


それを聞いて和人は手を振ってアインハルトを見送った。














「二人ともせっかくの休暇だろ?別にこっちに付き合わなくてもいーのに」


街中の喫茶店でヴィヴィオ達と待ち合わせをしていたノーヴェは、休暇にも関わらず一緒にいるスバルとティアナにそう言ったが、二人もアインハルトの事が気になるから付き合うと言う。それにはありがたく思うノーヴェだった。


「問題はさ、なんでお前らまで揃ってんのかってことだ!チンク姉だけだぞ呼んだの!」


ノーヴェは後ろのテーブルに振り返って、そこにいるウェンディ、ディエチ、オットー、ディードの四人に文句を言う。
ウェンディは興味本位で、ディエチもそんなところらしく、オットーとディードはヴィヴィオが心配だったらしい。


「すまんな、ノーヴェ。姉も一応止めたのだが」


そこでチンクがノーヴェに謝るが、ノーヴェも来てしまったならと諦めて余計なことはしないように釘を刺す。四人はそれに良い返事をした後、陰で親指をグッと立てていたりした。

そんなやりとりをしていると、ヴィヴィオ達仲良し四人組がやってきて、


「あれれ?スバルさんとティアナさんまで!」


ヴィヴィオはやってきて早々にスバルとティアナの姿を見つけて嬉しそうにする。


「うわぁ!!ティアナさ〜ん!」


それを聞いたメアリスは、一直線にティアナに近寄って抱き付いた。


「ちょっとメア!恥ずかしいから!」


「うぅ、ティアナさんは嬉しくないんですか?」


「そんなことないわよ。もう、和人さんの悪い性格が感染ったんじゃない?」


「パパを悪く言わないでください!ティアナさんでも許しませんよ?」


「メアリス、こんにちは」


仲良くティアナと会話するメアリスにスバルが割って入り挨拶をする。


「あっ!これは失礼しました。みなさん、ごきげんよう」


それでまだみんなに挨拶をしていなかったことに気付いたメアリスは、ティアナから離れて一礼して挨拶をした。


「メアはホントにティアが好きだよねぇ」


「はい!勝手にお姉さんとして慕っています!でもこれを言うとルエナさんが泣くと思うので内緒にしてください」


それにはスバル達も絶対言わないことを誓う。おそらく言ったら最後、ティアナはルエナに息の根を止められるからだ。


「で、紹介してくれる子って?」


そんな話をした後、ヴィヴィオはノーヴェの紹介する人物がどんな子なのか聞いてきた。
ノーヴェはアインハルトが覇王の血筋であることをぼかして説明すると、ヴィヴィオは落ち着きがなくなる。


「失礼します。ノーヴェさん、皆さん」


そこへ当人が到着した。


「アインハルト・ストラトス。参りました」


アインハルトは丁寧に自己紹介をしつつノーヴェに歩み寄り、ノーヴェもさっそくヴィヴィオを呼んだ。


「えと……はじめまして!ミッド式のストライクアーツをやってます、高町ヴィヴィオです!」


「ベルカ古流武術、アインハルト・ストラトスです」


それでお互いに握手を交わした二人。



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