版権夢小説書庫
□あなたの目に見える世界。
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階段を上りきった所で見えた、見知った白衣の小さな背が見えた。
「姫!」
『? あ、アレン!お帰りなさい』
「よおアレン、お帰り」
優しく微笑んでくれる。
「姫、リーバーさん、ただいま」
「邪魔者は退散するとするか−。じゃあ姫、仕事頼んだぜ」
『? 別に邪魔じゃ無いですよ?』
「いいんだよ、じゃあな」
『はーい、』
気を遣ってくれたリーバーさんはラボの方に向かって踵を返した。
それに対して手を振って見送る彼女。
『1ヶ月も居なかったね−、』
「そうですね、姫と会えなくて寂しかったです」
『流石紳士だな…、このタラシめ…』
「なんだか酷くないですか!?」
こうしていると帰ってきたという実感が湧く。
平和な日常の中に、彼女の居る世界に。
重役でも無い、一研究員の彼女と仲良くなったのはコムリンUが暴走したときだった。
暴走したコムリンUを止めようとする僕とリナリーを阻止しようとエレベータを傾けたときだった。
主に耐久精度について研究している彼女は自分の心配よりも建物を意識していた所為で落ちてしまった。
そこを助けた所から僕は姫を知ることになった。