羅国<おはなし>

□Reversi!
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外は朝からず〜っと、雨だ。昨日も雨だった。その前の日も…もう、もう!

「暇だなぁ〜!」

皮製の一人用椅子に座りながら、態と大きな声で、向かい側のソファーに座る大久保さんに聞こえるように言ってみる。
チラリと湯呑みに口をつけたまま目線だけこちらに寄越し反応する。でも、何にも言葉は発さない。

う〜ん、もうそろそろ限界だ。何か身体を動かすとか、集中できる作業とかしてないと、頭の中も、身体の中もおかしくなっちゃいそう!素振りも雨でしばらく出来てない。
大久保さんはよくこんな梅雨の憂鬱さに堪えていられるよね。

私は、せめて大久保さんから行儀の悪さへのお小言でも良いから構われたくて、椅子の上に体育座り。自分の膝におでこをつけ顔を伏せて「はぁ〜」とひとつ溜息を吐く。
すると、大久保さんから降ってきたのは
叱責じゃなくて大きめの和紙だった。

「これって…紙ですよね。」

確か、この時代は紙が貴重だったはず。こんなに大きかったら、尚の事驚いてしまう。

「これで、何か出来ないか?先日、薩摩から届いた。積荷の中に入っていたのだが、あまりに厚く、固くて表で使い道を苦心していたのだ。小娘なら何か変わった使い道を考えるかと私が引き取ってきた。暇潰しにどうだ?」

ニヤリと笑ってお前に出来るか?と挑発してくる。ここでようやく、私にMssionが下り仕事が出来た!



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