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□優しい手
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アナタの手が私の頭を撫でた
愛しいものに触れるように優しく、だけど確かに佐助さんは私の髪の毛をかき混ぜる。
「名無しちゃんの髪って触り心地いいね。」
「佐助さんの手は暖かいですね。」
佐助さんの手を取り自らの頬にあてた。
なんて暖かくて優しい手なんだろう。
幾人もの命を奪ってきた佐助さんの手。
何度その手を血に汚してきたんだろう。
何度その手で涙を拭ったのだろう。
「名無しちゃん…、なんで泣きそうな顔してるの?」
「何でもないです。」
もう一度佐助さんの手を取り口付けを落とした。
「名無しちゃん?。」
「おまじないです。」
どうかこの優しい手がもう悲しいことをしなくてもいいように
冷たくなることのないように
優しい手に願った
end
(俺様って幸せ者だね。)
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