Syugo-kyara!

□僕らの繋がり
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りまちゃんがじーっと、じーっと僕の目を見つめ続けてくる。

まるで僕の言葉に偽りがないかを確かめているかのように。
このままだと心の中まで見透かされてしまいそう。

しかし心裏を読み取ったところで、彼女が知るであろうことは、
今の言葉が紛れも無い真実だってこと。
あとは僕のほんの少しの期待と隠しきれない恐怖。

僕の心はりまちゃんによって支配されてしまったようだ。
彼女の大きな瞳に見つめられているだけで、僕の心臓は心拍数を急激に上げ、
他には味わえないような不思議な感覚に捕らわれる。


いつまでそうしているつもり?
あぁ早く、早く教えてよ。この感情に偽りはないから。

ちゃんとした男の子として僕が初めて寄せた想い。
君に出逢って芽生えたこの気持ちが、僕が僕であることを証明してくれた。


『僕は…りまちゃんのことが好きだよ。』


そう言った僕はどんな表情をしていたのかな。
君からしてみたら、僕は過去にあむちゃんを騙していた、悪い男でしかないのかな。
(そこまでいうほど僕は嘘をついてはいないのだが。)


「…りま…ちゃん」


小さな声を絞り出した。
催促するつもりはないが、そろそろこの状態を保つのも辛くなってきた。
しかしその大きな瞳からは決して視線を逸らさない。
これはりまちゃんの想いを、ちゃんと受け止めようという覚悟でもある。


「私は…あなたのことが嫌いだったわ。」


ようやく口を開いたりまちゃんの一言で、
僕の世界は止まってしまったような気がした。
遠くから何気なく聞こえていた、トランペットの旋律も聞こえないくらい、

世界は静まり返る。


「でも…今は」


りまちゃんは切なそうに目を伏せて微笑む。
そしてすぐに今度はもう一度僕に視線を戻し、頬を赤く染めた。


「なぎひこが…す、好きよ」


りまちゃんがそう告げた途端に世界は色を取り戻し音も蘇った。

そして僕は舞い上がるような嬉しさに駆られた。
きっと今まで生きてきた中で一番嬉しい。


「ありがとう!」


恋人になれなくてもいい。ずっとそう思っていた。
僕の想いを知ってほしかった。そして彼女の気持ちを知りたかった。
今も高望みはしないけれど。


「ばっ、ばかみたい…か、帰りましょ…」

「うん。でもガーディアンは?」

「こんな状況で行けるわけないでしょ!」


りまちゃんが真っ赤になって叫ぶ。
僕よりも身長も低く小さい彼女。
僕は改めて可愛いなと思い彼女の頬に優しく触れた。


「でも二人で欠席したらきっとみんなに怪しまれちゃうね?」

「平気よ。たまたま二人とも行けなかったってことにしておくんだから。」


僕は、そっかと言って苦笑いした。
でも今まで無断で欠席したこともなければ、二人揃って休んだこともなかった。
きっと色恋沙汰に敏感な、ややちゃんが放っておかないだろう。
でもそれはそれで楽しそうだ。


「じゃあ帰ろうか」

「ん…」


そろそろ沈みそうな太陽。少し暗くなってしまったので
今日はりまちゃんを家まで送ってあげよう。

このあと僕らはいつも通りたわいのない会話をして帰った。
前と変わった様子はないけれど、いつもに増して彼女は嬉しそうに笑っていた。


*END

なぎひこが告白するお話。
ちなみにこれから毎日家まで送ります。

 

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