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□仔猫な彼女
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「おい、無理だ」


「何が…ってダメ!


近寄らないでっ…。」


亜久津はその場を立つと


端に座る綾香めがけて歩き始めた


綾香も立ち上がり


亜久津を避けるようにそっと動き出す。


「ククッ…


逃げんなよ?」


「今は近づけないの!」


「そう言われてもな…」


徐々に隅に追いやられ


逃げ場がなくなると、


亜久津が目の前に来た。


腕に触れようとすると、


「…」


恥ずかしさでか涙目になってしまった


がそれが奴にとって逆効果だというのは


きっと誰もがわかっている


「…!


てめぇっつ−奴は。」


ぎゅっ…


「あっ…くん」


「…他の男に見えてたかもしれねえっつ-のに……」


「え…?」


「ちゃんと閉まっとけ」


「…うん、


ありがとう」


「…俺の前では別だがな」

「…。


バカなこと言わない!」


「本気だ」


「もう!

そんな真顔で言われても困るよ…」


本当に恥ずかしそうにうつむく綾香


終始心臓がやたら強くなりっぱなしの亜久津


「…可愛いじゃねえの、


てめぇそれ無意識にやってんのか?」


「…?」


ドキッ……


本物の仔猫をみているようになる亜久津


「…そういう行動のこと言ってんだよ。」


「…バカっ」


「ククッそうか…


そんなに襲われてえか」


チュッ


ほっぺに軽く当たるだけのキスだが……


「ひゃっ」


「覚悟しとけ…。


俺の理性を保てなくさせたてめぇが悪い


責任はとってもらうぞ」


仔猫を抱き締めてた両腕にさらに力を込める


「……っ

あっくんのアホ……」


「そんな顔で言われても逆効果だな。」


チュッ


唇が奪われ


……


………


いつまでたっても離さない亜久津


「んんっ…」


キスされてる最中は目をつぶる綾香だが


流石に息が続かず目をパッチリと開け


首を横に振り


亜久津に訴えかける


そしてやっと唇を離す


「ふあっ……


死なす気ですか!」


綾香は自然と彼の胸のあたりを


きゅっと握る


「ククッ今日はキスまでにしとくか!


いつかは…キスだけじゃなくお前をもらうぞ?」


「……。


変態……」


「あ゛…?


別に俺は今すぐでも構わねえがな?」


「っ!

ごめんなさい……」


「チッ……」


可愛いすぎんだよ…。


チュッ


おでこに唇が降ってきた


「…あっくん好き。」


「ああ」


怖い亜久津も仔猫には


基本優しいのでした…。


(……ドSだけど)


「綾香


さっきの体勢もう一回やってみろ」


「なっ…何を…」


「ククッ


俺にならいいだろ?」


「バっ…バカ……。」
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