short

□プレゼントは…
3ページ/5ページ



『日本人のお嬢さん?』


「…、


わたし…?」


早くも怪しげな集団が彼女に声をかけた


肌の色が黒い男たちは


ざっと5、6人


英語でナンパを始めた。


『君みたいな賢そうな子なら英語が理解できると思ってね』


『間違ってなかったな』


「あの…


何か用でしょうか…?」


『日本のことよくわからないから


…案内してよ?』


といいながら彼女の細い腰に腕を回す


「ちょっと!


は、離してください」


男たちは無防備な彼女を


無理矢理引きずった


『静かにしてよ、彼女?』


『そんなオシャレして


狙われてぇからだろ?』


「そんなつもりは…」


チュ−…


1人の男がふいに綾香の頬にキスをする


「やっ…。」


『可愛いじゃねえの……


なんつったか聞いた?!』

『やっ…だってよ!』


『もっとこの子の怯えた顔みてぇ…』


『……もう一度、


キスしてやれ』


「だ、誰か…っ」



「……彼女を離しなさい」

「ひっ比呂士…!」


『あ゛?


また弱そうなのが出てきたな』


「わたしのことを何と言っても構いませんが…



彼女にそれ以上酷いことをしたら…


生きて帰れると思わないことですね」



カッと見開いた彼の目は


試合のときよりも


怖い目で相手をにらんでいた


さすがに男たちも彼のオーラにおされ


『ちっ…


誰がこんな女を誘うか!』

『紳士ぶりやがって!』


捨て台詞を吐いたまま


逃げていった
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ