short
□片思い
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ドクン……
なんだこの心臓の音は…
緊張か?
テニスの試合でも感じたことのない緊張。
いったい…
「弦一郎くんタオル!」
ドクン…
この心臓の痛みは決まって、この彼女がいるときに起こる…。
「っ…ああ、すまない」
彼女は立海テニス部のマネージャーだ。
一言も弱音を吐かず、みんなから頼られる。
「なんかいつもより顔、赤めだよ…?」
「…大丈夫だ」
「この時期は熱中症になりやすいんだからね…」
そういうと彼女の小さい手がオレの手を包み込む
「休もう!」
「っこれはだな……
熱中症だからではない。」
「え?」
心臓の音が彼女に伝わりそうで、いつものように声が張れない…。
「情けないな…。」