novel

□masato's birthday with 生贄彼氏。
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―じゃあ、誰も質問も意見もないね?
椅子に座った男がにやりと笑うと、他の男2人もこくんとうなづく。
「心配しないでよ、ぺーさん。何たって俺だよ?」
「・・・全ては・・・yujiにかかってるんだよ。」
「・・・おう。」


「ちょっとー? yuji?」
「ん・・・。」
「もう朝ですよー!」
masatoの毎朝の日課は、愛しい彼を起してあげること。
彼は、いつもリビングのソファで眠っている。
・・・否、眠ってもらっているの方が正しい。
しかし、今日はひどい。
いくら体をゆすっても、声をかけても全く起きようとしない。
仕方なく、最終手段に出た。
「yuji〜、起きて〜?」
目をつむると、唇に唇を重ねる。
「ん・・・、まーたん・・・。」
すると、彼の目が少しずつ開いた。
一番手っ取り早い起こし方ではあるが、起きないでいるといつもキスをしてもらえると思われては困るから、あまりこの手段は使わない。
しかし、今日はmasatoの休日。
出来るだけ長い時間を一緒に過ごしたかった。
「おはよ・・・。」
「どうしたの?yuji。・・・体調悪い?」
「うんん・・・、違う。」
起きあがったyujiはニッコリ笑うと、masatoの頬を両手で包む。
「大丈夫。ちょっと寝付き悪かっただけ。」
「良かった・・・。」
と思ったのも束の間。
yujiの顔がせまったかと思うと、唐突に甘いキスをされた。

彼の彼氏は 契約彼氏。


「もうすぐまーたんの誕生日だな。」
「え・・・?そう・・・だね。」
yujiに言われて初めて気付いたが、5日後は大切な日だった。
例え、いくら仕事が忙しくたって、yujiとの生活が甘くたって、忘れてしまうとは不覚だ。
今までは2週間前には必ず、彼氏に受注していたのに・・・。
「どう祝おうか?」
「う〜ん・・・、そうだね〜・・・。」
「・・・いろんな人呼んで、みんなで祝う?」
(あ・・・、意外。)
少し独占欲の強いyujiのことだから、2人きりで祝う以外のことは眼中にないかと思っていた。
無論、masatoはどちらでも嬉しいが。
「じゃあさ、決まらないなら、俺がまーたんには内緒で何か準備してもいい?」
「サプライズってこと?いいね!」
目を輝かせたmasatoをyujiが抱き寄せる。
「俺なら、もう欲しいもの決まってるんだけどな〜。」
「え・・・、何?」
「まーたんと同じベットで寝る権利。あのベットに1人じゃ広すぎるんじゃね?」
「きゃ、却下!!」
腕を振りほどこうとしても、力はyujiの方が強い。
結局、腕から逃れられず、ソファに2人共倒れこんだ。
「ちょっと、yuji・・・?何するつも・・・って、あれ?」
yujiの腕が簡単に解ける。
そして、ぐったりとしたまま、動かなくなってしまった。
「ちょっと! yuji!? どうしちゃったの!?・・・って重い!」
まずはソファから脱出して、うつぶせの彼を引っくり返す。
つむった目、動かない体。
masatoの不安をあおった。
「ねぇ、起きて!どうしちゃったって言うの!?」
肩を持ってゆすっても、起きる気配がない。
一生このままな気もした。
「うそでしょ・・・?」
涙目になりながら、その唇に口付けをしてみる。
この手段でyujiが起きなかったことはなかった。
しかし、そのまぶたは開かない。
「ねぇ・・・、yujiってば・・・」
masatoはその冷たい頬に触れて、絶望に涙した。
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