novel

□Special Valentine With Alterna.
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その日も4月からの新ドラマの撮影が朝からあり、主演役者も助演役者もそのドラマに携わるすべての人は朝から撮影をしていた。
そんな最中、撮影の合間の休憩時間に、ことは起こる。
原因は、主演の人気俳優武瑠の質問だった。
「ねえ、makkoは明日なにするの?」
「・・・は?」
撮影でしょ?と、makkoは真面目な顔で答える。
茶色の髪を片方耳にかける仕草が、色っぽい。
makkoは、武瑠と同じく主演女優。
しかし、彼女は男性だ。
それは、公認のこと。
『ヤダな、それ、本気で言ってんの!?』と、目の前の彼に笑われて、魅惑的な唇を尖らせた。
「武瑠は撮影来ないつもり?」
「いや、俺も撮影だけどね。でもさ、それと同じくらい大切なこと忘れてない?」
彼の謎めいた笑みを見つめながら、うーんと考える。
と、そこに新参者がやってきた。
「makkoさん、お疲れ様です!」
「yuji・・・、うん…。」
makkoのマネージャー、yujiが500mlのお茶のペットボトルを片手に、二人に近づいてくる。
yujiと共に、もう一人いた。
同じくペットボトルを持った華奢な青年は、武瑠のマネージャーのshinpeiだ。
「はい、これ。めっちゃ綺麗だった!!」
「・・・ありがと」
「武瑠、お疲れ様。なかなかの演技だったよ。」
「うぃーす。」
それぞれに短い会話を交わすのも、マネージャーと役者の重要なコミュニケーションの1つだ。
ドリンクを渡し、役者をを労りながら、演技を褒める。
それは、人によって程度は違えどよくある光景だった。
「あのさぁ、yuji。明日って何する日か分かる?」
「え…?明日って・・・?」
「あ、makko!!それ、言っちゃ駄目!」
武瑠が止めても、もう手遅れだ。
makkoがますます謎が深まって首を傾げている間に、yujiは閃く。
「ちょ、ちょっとyujiはあっち行っててよ!」
「え、ああ、うん…。」
「え、もう何でなの〜?」
その場から離れていくyujiをしばらく見つめていた彼が武瑠に向いたとき、不機嫌そうな顔をしていた。
「まだ分かんないの?明日は2月14日でバレンタインデーだよ?」
「え・・・、ああ…、なるほど…。」
「勿論、yujiにチョコあげるんだよね?」
「・・・えーと…っ」
明らかに誤魔化したように苦笑する 役者に、武瑠は笑い返す。
「ま、ぶっちゃけ、俺も用意してないんだよね。だからさ、今日の帰りに一緒に買いにいかない?」
「え…、ああ、分かったよ。いいよ。」
「やったぁ〜!!」
約束した時丁度に、撮影再開する。
二人の役者は立ち上がった。
「じゃ、ぺーさんは俺らのボディーガードしてね!!」
「ええ!?」
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