舞威景学園の日常

□生徒会長Aijiの憂鬱
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私立舞威景学園・・・―――

ここには、選び抜かれた美しい顔、そして大金を持つ生徒(ごく一部は例外)しか、通うことは出来ないという。
今日も、暇と金を持て余した美男子たちの、優雅な遊戯が始まる・・・――――。


「・・・今日は、何の日だったかな。」
生徒会室の、生徒会長だけが座ることを許された黒革の上質な椅子に座したまま、Aijiがボソッと呟く。
11月17日、無論この男の誕生日なのは、本人も分かっている。
その日は土曜日だったが、生徒会6人は全員集まっていた。
とて、全寮制だ。
校舎のすぐ近くに生徒の宿舎が建てられているから、登校は簡単で楽だ。
その分、部活動もなかなか盛んで、今でも窓の外から様々な運動部の声が聞こえてきている。
少し遅れて、Aijiの呟きに生徒会室内の大きな高級ソファに寝っ転がったmayaが気だるそうな声で返す。
「えっとー・・・、蓮根の日です。」
「ええ?知らねーよ。」
「聞いておいて、それは無いッスよね。」
彼は、自称Aiji生徒会長の補佐、兼自称唯一の恋人だ。
そして、何より彼は生徒会室にはいるものの、生徒会のメンバーではない。
(ってあれ?俺の日付感覚はおかしくなったか?)
しかし、この日をAijiは忘れられるはずがなかった。
事の始まりは、一昨年に遡る・・・―――
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