novel

□swee†not Birthday
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「わ、まーたん!?」
「もーなんなの?急に・・・!」
「ご、ごめん。迷惑だった・・・?」
Masatoは腕を離して、yujiを見つめた。
はにかみながら、首を横に振る。
「すっごく嬉しい!」
「よかった・・・!!」
ホッと安心したような表情は珍しい。
みとれていると、目があった。
「ごめん、ちょっと足りないものあって・・・。」
「うん。」
「まーたんが帰ってくる前に帰ろうとしたんだけど・・・。」
苦笑しながらyujiは家に入り、2人並んで廊下を歩く。
リビングに戻ってくると、Masatoのドキドキは復活した。
「何か手伝うこと、ある?」
「主役は座ってていいよ。」
ダイニングのテーブルを挟んで向かい合った椅子の一つを少し引いて、エスコートするyuji。
まるで王子の様だった。
「・・・誕生日の当日じゃなくて、ごめん。」
「あ、分かってたんだ。」
「そりゃあ・・・、まーたんの誕生日だし。」
ワインの瓶を開けて、Masatoの前に置かれたワイングラスに注ぐ。
会話は途切れたが、彼がテキパキと準備を進めていった。
「よし、それじゃあ、食べようぜ。」
「うん!」
テーブル上が整って、yujiも席につく。
パチンと手を合わせた、『いただきます』。
「全部買ってきたやつでごめん。」
「うんん、美味しいよ。」
「・・・俺って、本当ダメな彼氏だよな。」
眉をひそめるyujiに、Masatoの表情もくもった。
「・・・俺さ、ずっと言えなかったけど。明日仕事なんだ」
「あぁ〜・・・、それで今日のお祝いなんだね。」
暗い雰囲気を打破するために、あえて明るく言ったのに、yujiは、眉間にしわを寄せて、険しくうなずく。
「俺、まーたんが何をしたら喜ぶか分かんないんだ。・・・なんて、言い訳かも知れないけど。行事の時とか・・・、何をしてあげたらいいのか・・・。」
「yuji・・・。」
「誕生日もさ、まーたんの誕生日も、いっつもまーたんが用意してくれてたじゃん?プレゼントは俺が用意してたけど・・・。」
yujiは立ち上がり、Masatoの背後に回る。
そして、たくましい腕で抱きしめた。
「・・・もっと彼氏っぽくなるから。」
「今のままでいいのに。」
「いや、俺が決めた。」
ギュッと力をこめられて、Masatoの頬が染まる。
手を添えた。
「ありがとう。そんなyujiが大好きだよ。」
「お、おう・・・。でも、もっと好きにさせるから。」
腕を離したyujiは、『プレゼント持ってくる』と、リビングを出ていく。
来年も、一緒にいたいねと想いながら、ワインを一口飲み、笑みを浮かべた。


END
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