3

□第79Q
1ページ/1ページ

「誠凛メンバーチェンジです」
ブザー音とともにコートサイドに現れたのは黒子
そして交代を告げられたのは
「火神君!交代よ」
「はぁ!?なんでオレだよ!…っですか!」
自分が下げられることに納得いかず食い下がる火神


「火神君が跳べなくなったら詰みよ。とりあえず第3Qは体を休めて」
緑間を止められる可能性が高いのは火神でありリコの言い分はもっともだった
『テツヤが出てきたってことはそういうことだ。大丈夫、俺達を信じろ』
交代を渋る火神の肩に手をおきながら流が諭す
その言葉が決定打となったようで彼は小さく息を吐いた


「ちゃんとあいつらの度肝抜けんだろーな?」
「…はい。もちろんです」
火神からの問いかけに少し自信ありげに答えた黒子
「頼んだぞ」
火神はそんな彼の背中をコートへと押した


「誠凛がペースを落としたぞ」
先ほどまでのラン&ガンが嘘のように一気にペースを落とした誠凛
うかつに攻めて取りこぼせば流れが切れる
だから最大限に生かせるタイミングを計っているのだ


ーーー来る!!!


『行かせねぇ』
「なっ…スイッチ!」
コート内にいた誰もが空気が変わったのを感じた
その瞬間、流がスクリーンで高尾を黒子から離した


ーバシッ


「オイオイまさか…緑間とやる気かよ!?…気をつけろ!!」
ボールを持てないはずの黒子がボールを持った状態で緑間と対峙する
『残念だけど、気をつけてなんとかなるもんじゃねーよ』
驚きに目を見開く高尾に流が言葉を紡ぐ
速いとか巧いとかそういうことではないのだと


『テツヤにしかできないそのドライブは………消える』
流が言ったと同時に黒子は緑間の前から姿を消し、彼を抜いた
「なん…っ!?」
あの緑間を抜き中に切り込んできた黒子に木村がマークにつく


「ナイスパス!!」
しかしそれを待っていたかのように黒子はフリーの木吉にパス
そのまま得点へと繋がった
キセキの世代を倒すための技、それが黒子のバニシングドライブ


「っのやろう!」
焦った木村が勝負を急いでシュートを放つ
「(正直諦めてたが、ついてた!)黒子!」
しかし得点にはならず、リングにあたって弾かれたボールは伊月の手に


「させるか!!」
伊月からのパスを受け取った黒子の前には高尾
それを見た流はマークを外しながら移動する
そして瞬きの間に黒子は高尾も抜き去った


『テツヤ!!』
呼び声に反応するように黒子が流へパスを回す
「誠凛連続得点!一気に5点縮めた!!」
受け取った流は3Pシュートを放った
少しずつ秀徳のリズムが崩れ、誠凛の流れが形成される


ーバチィッ


「あ!」
黒子が秀徳のパスをスティールする
「黒子よこせ!!」
日向の放った3Pシュートが第3Q終了と同時に決まった
『日向先輩ナイスシュート!』
同点に漕ぎつけたことに誠凛は歓喜し、秀徳は苦い顔をした
勝負は振り出しに戻った


第79Q{残念だけど}
fin.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ