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□第80Q
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『いけそうか?大我』
「お陰様でな。緑間より先に音をあげるなんてできるもんかよ…!」
1Q分休んでいたとはいえかなり体力は削られているだろう
『ラスト10分頼んだぞ』
しかし火神の目は緑間を捉えて離れなかった


「第4Q始めます」
緑間と火神、高尾と黒子がそれぞれ視線を交わらせた
泣いても笑ってもこの10分を制したものがこの試合の勝者だ


「いきなり来たぞ!誠凛のラン&ガン!!」
開始早々から誠凛はラン&ガンを展開して中に切り込んでいく
「わかってれば止められる、もらいだ!」
データ上のパスコースから次のパスターゲットを予測した宮地が腕をのばす


『甘いな』
流がつぶやくと同時にパスコースが突然変わった
「あ!?」
パスの向きを変えたのは黒子だった


『忘れてもらっちゃ困るな。そもそもこっちがテツヤの真骨頂だ』
黒子の加入によってパスパターンが突然切り替わる
変幻自在型ラン&ガンスタイルが誠凛の新しい型だった


「火神!無茶するな!!」
パスを受けた火神の前には大坪と木村の2枚ブロック
「ぅおおおおおおお!!!」
しかし火神はその上からシュートを叩き込んだ


「(黒子だけじゃない…白崎がいないだけまだマシか)」
ベンチに座る流を見て大坪は小さく息を吐いた
流だけでも変則的なパスコースを展開してくるというのにそこに黒子のパス
前者だけなら流がボールを持っている時に次を予測して警戒を高めればいい
しかし黒子のパスがそこに加われば最早予測は不可能なのだ


「調子に乗るなよ」
しかし勢いづいた誠凛を緑間の3Pシュートが一蹴する
『(そろそろ限界がきてもおかしくないはずだが…)』
体力アップをしたとはいえここまで保つとは考え難い
そう思った矢先に緑間が荒い息を吐きながら答えを口にした


「限界などとうの昔に超えている」


「そんなこったろーとは思ったが…負けられっかボケが!!」
そう言って日向が3Pを決める
「そりゃこっちのセリフだよ」
負けじと宮地もレイアップシュートを決める
試合がヒートアップするにつれて体育館中に声援が響いた


「決まった!!秀徳逆転!」
試合が終了へと近づき30秒切ったところでの逆転
「時間ないぞ!攻めろ!!」
しかし点を取られるわけにはいかない秀徳もチャンスを潰そうとスティールを仕掛ける


『テツヤ!!』
伊月の手から弾かれたボールは外にでることなく黒子の手に収まった
「行かせねぇ!!」
「なら力ずくで通ります」
黒子の前に立ちはだかった高尾はバニシングドライブで抜かれた


残り時間5秒
大坪を引きつけた黒子がパスを回した先は、


第80Q{とうの昔に超えている}
fin.
 

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