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□第81Q
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「ナイスパスだ、黒子!」
パスを回した先にいたのは木吉だった
彼は強く踏み込み飛び上がる
「させるか、"鉄心"!!」
しかしシュートを止めようと緑間も飛び上がっていた


「フリースローツーショット!」
甲高い笛の音が鳴った
それは緑間がプッシングを取られたことを意味していた
『残り2秒…フリースローで勝負が決まる…!』
勝負を決するフリースローなだけあり、両チーム共に指示の声が飛びかった


「ツーショット」
木吉が審判から手渡され1度手の中で回してから投げたボールは、
「入ったぁ!!まず同点!」
なんなくネットをくぐり同点になったことで誠凛が湧き立つ


『さぁ、運命の一投だ』
これが入れば誠凛が勝つ
再び審判から手渡されたボールを木吉は手の中で回した
誰もが固唾を呑んで見守る中、ボールが木吉の手を離れる


ーゴッ


「「リバウンド!!」」
今度は外れたそれをリバウンド目当てにコートが動きだす
それを取ったのは大坪だった
『大我ァ!!!』
かと思われたが、火神が彼の手をすり抜けてボールを手にした


「「ぅおおおおおおお」」
シュートを決めようと飛び上がった火神とそれを阻止しようと飛び上がった緑間
2人の手がボールを捉える
そして、


「試合終了!!」
試合終了を意味するブザーが鳴った
得点は誠凛104-104秀徳
両校互角の引き分けだった


『いい試合だったな』
甲乙つけがたい試合内容に流は詰めていた息を吐いた
「なに他人行儀なこと言ってんのよ。流君もその試合をした1人なのよ?」
『そう、ですね…冬はちゃんと勝ちます』
まるで仲間のようで少しだけ照れくさそうに流は笑った


「104対104で両校引き分け!礼!」
「ありがとうございました!!」
こうして誠凛対秀徳の二度目の激突は幕を下ろした
一方で隣で行われていた霧崎第一対泉真館では後味の悪い険悪な空気で試合が終了していた


第81Q{さぁ、運命の一投だ}
fin.
 

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