黒執事

□第5話
2ページ/5ページ


カチャ…


「そうそう…先日注文したヘレンドのシノワズリーのティーセットが届きましたよ」


坊ちゃんからティーカップを受け取り、


もそもそと起きあがったヴァルツ様に紅茶を手渡す


『ん…ありがと』


「ほらヴァルツ、お前も読むだろ」


『うん、読む。ありがと』


ヴァルツ様に新聞を手渡した坊ちゃんの着替えを手伝う


「ですから本日の午後の紅茶はキーマン茶に


ベリーも入ってきましたのでおやつはカラントとベリーでサマープディングにしようと思うのですがいかがですか?」


「まかせる」


「了解いたしました。では私は早速明日の準備に取り掛かります」


「ん」


『ごちそーさま』


カチャ…


着替えを終わらせると同時に紅茶を飲み終えたヴァルツ様から


ティーカップを受け取り部屋をでる


パタン…


さてここからが私の仕事の本番です


「それじゃあ始めますか」


明日の準備のためにチョコを溶かしお菓子作りを始める


「ギャーッ!?」


するとまもなくしてメイリンの絶叫が響き渡る


「…!?…何事です?」


ガチャ…


「メイリン?一体どうしました…「セバスチャンさぁぁぁん!」」


「何事です、この泡は!?」


部屋中が泡まみれとなっている惨状


「この洗剤っ説明書通りスプーン30杯いれたのにおかしいですだよ〜〜」


手渡された説明書を読んでみると(いや、読まなくてもわかっていたが)


「これは30杯ではなく3杯です」


ただの見間違いということが発覚


このバk…ハウスメイド


もはや目が悪いとかそういう問題じゃない気がするんですが


明らかにおかしいのは説明書ではなく自分の頭ということに


何故気づけないんでしょう?


世間ではドジなメイドに愛嬌が存在するという話も聞きますが


私には到底理解できそうもありません(というか、する気もありません)


うっすら殺意すら覚えます


「分かりました、とりあえず下がっていなさい」


ピシッ…


「…ふぅ」


メイリンを下がらせ部屋とシーツを綺麗にし外に干す


「では私は仕事が残っていますのでこれで。


貴方も仕事に戻りなさい」


そう言い残しお菓子作りの再開のため屋敷に戻る


「まったく…この時間のない時に…」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ