番外編

□ないものねだり
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突然だけど、俺は征十郎に気に入られてると思う。


いや、気に入られてるなんてもんじゃない。


もっと特別な存在ですらあるかもしれない。


別に自意識過剰とか、思い込みとかじゃぁない。


これは紛れもない事実だ。


根拠はいくつかあるけど、例えばそうだなぁ…


「流」


たまにだけど俺の教室にやって来る。


『征十郎?どうかした?』


いつも来るわけじゃないけどあの征十郎が出向くなんてなかなか無いと思うんだよね。


「いや、会いに来ただけだ。
黄瀬、邪魔だ」


特に用事があるわけでもないのにだよ?


あとは……、


「流は俺と買い出しだ」


『はーい』


なにかと2人での買い出しが多い気がする。


「流、荷物貸せ」


そして当然のように荷物は持ってくれる…あの赤司が、だ。


ちなみに涼太と行った時は全部涼太に持たせたらしい。


征十郎は俺に命令なんて滅多にしない。


言うこときかなくてもわりと大目に見てくれる。


そしてなにより俺に見せる表情。


支配者のような、人を下に見た表情[カオ]じゃなくて、


赤司征十郎としての心からの素の表情を見せてくれる。


会話の中で告白されたりとかもするし、


これはもう俺のことを好いているとしか思えない。






とは言っても…







応えてなんて、やらないけどね。
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