番外編
□終わらない悪戯
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その日もいつもと変わらない1日のはずだった。
黄瀬が妙な提案をするまでは。
「明日は10月31日ハロウィン!ってことでハロウィンパーティーしねっスか!?」
ワクワクと期待に胸踊らせ輝く瞳で提案する黄瀬
しかし提案された側の6人はあまり乗り気ではなかった。
「はぁ?なんでそんな面倒なことしなきゃなんねーんだよ」
「1日練習しないと3日分は遅れる。練習を疎かにする訳にはいかないのだよ」
「っつーか、やる意味がわかんないし」
「練習があるからちょっとやるのは無理じゃないかな…」
「桃井さんもこう言ってますし諦めてください」
『普通に考えて無理じゃない?あの練習メニューに費やす時間を短縮するのはちょっとねー…』
上から順に青峰、緑間、紫原、桃井、黒子、白崎だ。
これだけの人数がいて誰一人賛成していないことが黄瀬の涙を誘った。
「ひ、ひどいっス!楽しそうじゃないっスかぁ!!ね!赤司っち!」
だぁうー、と泣きながら黄瀬は赤司へと話を振った。
当の本人は顎に手をあて考えるそぶりを見せている。
「ふむ…確かに面白そうではあるな」
この一言で黄瀬の顔は輝き、その他の顔は引き攣った。
最終決定権が赤司にあることを全員が重々承知しているからだ。
「俺達の親交も兼ねてやろうか」
微笑みと共に告げられた言葉に黄瀬を除くメンバーは絶句し、二の句が告げなかった。
「………お前等、俺の言うことは?」
「「ゼッターイ…」」
「そういうことだ。
衣装やお菓子の準備は俺がやろう」
チームメイトの願いは叶えてあげるのが主将だろう?
と、笑顔で言い放った彼は誰も逆らえないことをわかって言っているのだろう。
こうして黄瀬の提案は見事に赤司に通り、ハロウィンパーティーが開催されることが決まった。