伝説の戦士達と魔王のまとめ

□第三話
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翌日10時
レンジャー一同は約束通り寮の前に集合していた。
むろん理事長に話は通してある。
押し付けられた日和里が。

「それじゃみんな捕まって、サトーヨーカ堂前までテレポート!」
一列に手を繋いだ彼女等は、史汝のテレポートでサトーヨーカ堂までの時間短縮を計り、それは成功した。


さて今更ではあるが、ロウレーヤ国には四季がある。

そして今は冬だ。

よって


「さ、さささささ」

「「寒ーい!!」」

風は身を切るほど冷たい。


「は、早くバス停見つけよう!」


がたがた震えながら提案したのは菜乃。
「うん。歩けば少しは暖かくなるよ」
しきりに頷いて言ったのは史汝。

「さ、賛成ー」

それに反対する者は誰もいなかった。


地図通りにしばらく歩くと、楕円形の看板が見えてきた。


「ここか、バス停」
やり遂げた感満載で美羽が呟く。

「ん?」
ふと早苗が首をかしげた。

「どうしたの?早苗」
不思議に思った唯夏が尋ねる。

「お金は?バスってタダで乗れるっけ?」

常識からいって、乗れる訳がなかった。

だがしかし、瑠奈は違った。

「え〜、お金?めんどくさいヨォ」

神様も真っ青な発言である。

「じゃあ瑠奈はなんか解決策みたいなのある?」
不安げに史汝が聞く。


「もちろんここは・・・」


「なに?」
瑠奈が充分以上に間をとり、日和里が興味津々で尋ねる。


「い・ろ・じ・か・けでぇ☆」


一瞬世界が凍りつき、ブリザードが吹き荒れたように感じられた。
確かに一度、世界中の時間が止まった。


間。



「ま、そのバカ瑠奈の案、ためして見る価値あるんじゃない?」

沈黙を破ったのは胡ノ葉だ。


「でしょでしょ!!」

瑠奈は賛同者に目を輝かせた。

「よし!迷ってる暇はない。それでいこう!!!」

「やるからには失敗は許さないからね☆」

何か吹っ切れてはならない物を吹っ切った菜乃、美羽が続く。


「はぁい☆」


それに瑠奈は自信満々のていで応えた。

「バス来たよ〜」

「乗るよ!」

唯夏の知らせを受けて史汝が指示をだす。

次々にバスに乗り込むレンジャーの顔は凛と引き締まっている。

今から行う行為に少なからず緊張しているからだ。
何かを成し遂げようとする彼女等は凛々しかった。

例えこれから行う行為が犯罪紛いの行為であるとしても。
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