伝説の戦士達と魔王のまとめ
□第四話
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ー吹雪川ー
ゆったりとした流れの川辺で、七人の少女が座り込んでいる。
「さむー!!!」
日和里がトゥーラを使って出した火の前で、震えながら菜乃が言った。
「あたしが泳げてよかったでしょ」
「すごいねー」
「助かったぁ」
美羽が得意げに笑い、瑠奈、史汝が同意する。
「にしても、胡ノ葉は?」
辺りを見回し胡ノ葉の不在に気付いた早苗が首を傾げた。
慌てて立ち上がり、七人は辺りの捜索を始める。道の向こうからバスがやって来た。
何気なくそれを見た唯夏があることに気付いた。
「あれ?バスに乗ってるのって、胡ノ葉?」
「お金は!?」
「追え〜〜〜!!!!」
一気に騒がしくなった少女達は、日和里の号令でバスを追って駆け出した。
そのころバスの中・・・
「はあ♪まったくばかね、あいつ等は。イエローはまだいいけど・・・・・?
みんな置いてきちゃった。ま、いーや。バスに乗り遅れるのがいけないんだし」
胡ノ葉は一人屁理屈をこねて納得した。
そして置いてかれたレンジャーは、必死でバスを追いかけていた。
「もう!ありえない〜!!!!!」
「ひどいな〜胡ノ葉ちゃんは。こーんな可愛いあたしたちをおいてっちゃうなんて!」
日和里、瑠奈が怒り
「私まで落ちちゃうなんて・・・」
菜乃が反省し
「はあはあっ。疲れたなー。まってよバス〜」
「バス停ないのかねぇ」
史汝と唯夏がまともなことを言った。
「あ、なんかいやな気配がする」
ふとバスを見た早苗が呟いた。
きいぃぃぃぃ!
バスが急カーブを曲がりきれずスリップし、道から投げ出された。
「わ!ちょっ、きゃああああ!!!!!!」
「今・・・ブルーの乗ったバス、谷に落ちたよね・・・・・・」
日和里が茫然と呟く。
「やだぁ!!!胡ノ葉死んじゃう!」
「・・・死の香りがしないわ。ブルーは死んでいない!」
うろたえる瑠奈を尻目に菜乃が冷静な判断をくだした。
「谷の近くへいきましょ!」
史汝の指示で、レンジャーは再び駆け出した。