黒子のバスケ

□38度の熱
4ページ/4ページ






目を開けると、家の天井が見えた。



どうやって帰ったっけ?



視線を移すと、見覚えのあるメガネの青年が私の額へと手を伸ばしていた。

ヒンヤリと冷たいシートが熱を奪う。



冷えピタか、冷たーい



「大丈夫か…武智。」


『あらら、日向くん。』





目を見開いて、熱で上手く回らない舌を動かして、心配そうに眉間にシワを寄せる彼を見上げた。

運んでくれたのは日向くんなんだね。



ありがとう



掠れた声で言うと、彼は呆れたように私の頭を軽くコツンと小突いた。





「ったく、すげぇ熱あんじゃねぇか!!」



何で学校来たんだよ



心配そうに私を見下ろす彼の顔は、小さい時から変わらない。

優しい人。





『だって…』



“少しでも、貴方と同じ空間にいたかったから”





そんな事は言えないから、布団で顔を半分まで隠して小さく答えた。





『テスト、受けたかった。』





やっぱり、掠れた声しか出なかった。

すると、彼は大きくため息をついて、そっと手を伸ばして私の頭へと手を乗せた。





「ダァホ…無理すんなよ。」





髪を撫でる君の声に、私は小さく笑って、ゆっくりとやってきた微睡みの中に意識を沈めた。










優しい人

いつも傍にいてくれて

ありがとう








元気になったら告白できるといいな






to be continues?
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ