宝物
□彼女は俺の制服が好き?
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「あれ?山本、ブレザーはどうしたの?」
「まさか学校に忘れたとか言うんじゃねーだろーな…。」
「いや、違うぜ。名無しさんに取られちまったのな。」
下校中
「え?」と頭に“?”を浮かべるツナと獄寺に山本は苦笑した。
「取られたって?」
「何か名無しさんが俺の上着て帰ってるみてーなのな。」
ツナの言葉に山本は後ろを女友達と歩いている名無しさんを指差した。
そこには、少し…いや、結構大きめのブレザーを纏った名無しさんの姿があった。
そこそこ身長はある名無しさんだが、山本のブレザーはやはり大きい。
しかし、ぶかぶかのそれを着る彼女は何処か可愛らしい。
「何であいつがてめぇのなんか着てんだ?」
「それが俺にもサッパリわかんねぇ。」
獄寺の質問にお手上げ、とポーズをとりアハハと笑う山本。
チラッと山本が再び後ろを振り返ると、名無しさんと目があった。
すると、名無しさんは山本の上着をギュッと着込むような仕種をしてニコッと笑った。
「……。」
大事そうに自分のブレザーを着る名無しさん。
その姿に山本の顔が一瞬険しくなった。
「どうしたの?」
「いや、何でもねーよ。ツナ。」
すると、ツナが山本の顔を覗き混む。
山本は大丈夫だといい笑った。
そして、山本・獄寺・ツナの三人はそれぞれ家に帰って行った。
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