黒子のバスケ
□幼なじみ
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『…バカヤロー。』
気がつくと、よく三人で遊んだ公園に来ていた。
さつきとよくここでストバスをしていた大輝を見ていた。
三人だった。
だけど、大輝の中では二人だったのだ。
“私”はまるでそこにいなかった。
ハァとため息をつくと、ベンチ座っていた私の前を、小さな女の子と男の子二人の三人が楽しそうに駆けていった。
『幼なじみ…じゃなかったの?』
私にとってそれは特別だった。
気のおけない友人、小さい頃からの思い出を分け合った唯一の存在。
大切だった。
自慢だった、大輝やさつきの幼なじみであることが。
だから、悲しかった
『アホ峰、バカ峰、顔黒クロスケ、もうクロ峰でいいじゃないか。』
ショックだった
鞄を抱き抱えて顔を埋めた。
ブツブツと大輝の悪口をいいながら、また一つ気づいてしまった。
最近は口喧嘩もしていない
「コラ。」
『Σ痛ッ!!』
ハァとまたため息をつくと、パシンッと頭に軽い衝撃が走った。
「人の悪口言ってそんなに楽しいかよ。」
突然聞こえた声に顔を上げると、大輝が仁王立ちをして私を見下ろしていた。
呆れたような顔した彼の顔を見て、ムッと眉間にシワをよせる。
『別に…大輝なんか知らない。』
知らない、大輝なんか…
プイッと顔を逸らす。
だんだんと涙が滲んできて、それを隠すように再び鞄に顔を埋めた。