恋次
□恋次誕生日/2011
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最近どうもアイツの様子がおかしい…
あ?アイツって誰かって?
俺の可愛い桜子に決まってんだろ!!
いっとくが、彼女だからな!!
そんな事を考えながら、執務室を出ると丁度桜子が廊下を歩いていた。
「桜子、今日は俺の部屋に来るんだよな?」
『Σご、ごめん!!書類たまっちって今日は行けなくなっちゃった…』
手を振りながら近づくと、桜子は嬉しそうに手を振りかえした。
だけど…
近づいて手を掴む。
すると、俺の言葉にギクッという効果音がしそうなくらい体を固くした。
目を合わせてもすぐにそらしちまうし…
「ったく…」
『ひゃっ!!』
「書類たまってんなんて嘘だろ?」
『//う、嘘じゃないよ!!』
グッと掴んでいた手を俺の方に引き寄せ、後ろから抱きしめるようにし、肩に顎を乗せる。
耳元で囁くように言うと、耳が真っ赤になってやがった。
浮気の線はまずねぇな…
「ほぅ…で、この日に日に増える絆創膏はなんだ?」
『こっこれは…包丁で切っちゃって!!』
「毎日か?」
『ほら!!アタシってドジだからさー!!』
絆創膏だらけの手に指を絡めて顔の前に持ってくると、困ったように笑っているのがわかった。
何を隠してやがるのか、聞き出そうかと思ったときだ。
よく知った霊圧を感じて振り向くと、そこにはルキアがたっていた。
「おお、なんだ二人一緒か。」
『ルキアー!!』
ルキアを見つけると桜子はスッと俺の腕中から抜け出し、ルキアにピョイと飛びついた。
「廊下でイチャイチャしおって、下のものに示しがつかぬぞ、副隊長殿。」
「うるせぇな…」
ニヤニヤしながら見上げてくるルキアの顔に、からかわれているような気分になる。
喋らなくても馬鹿にされてんのがわかっちまうから腹立つんだよなぁ。
『ルキア!!見てほしいの!!』
「やっとか!!」
ルキアの袖を引っ張りながら目をキラキラさせるお前。
ルキアも何やら、嬉しそうな顔でお前を見る。
「何がだ?」
「貴様には教えてやらん、女子だけの秘密だ。」
『Σわ!!?じゃぁ、明日ね!!恋次!!』
「ちょっ、待てよ!!」
何を隠してやがるのか知りたくて引き止めようとすると、ルキアはアイツを引っ張って走っていきやがった。
追いかけようと、走り出そうとしたとき、またもやよく知った霊圧が後ろからした。
しかも…
「何処へ行く、恋次。」
「Σくっ…朽木隊長…」
「書類はもう終わったのであろうな?」
「えーっと…」
「二度は言わぬぞ。」
「Σはぃいい!!」
それは、息苦しくなるような重い霊圧だった。
そういや書類仕事、まだ途中までしやかってなかったんだっけか…
朽木隊長の機嫌を伺いながら、俺は執務室へと戻った。