恋次
□勇気がない
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『それでさ〜』
「ちょっとワリィ…ルキア!!」
十分だったのに
「おぉ、恋次ではないか。」
小さな彼女の姿を見つけた彼の、阿散井くんの明るくなった表情に、今までになかった感情がゆっくりと湧いて心の奥にたまり始めた。
明らかな変化
嬉しそうに駆け寄る姿に、いつの間にか目を背けていた。
いつまでも一緒にいられるわけではない
私は彼の特別じゃない
知っていたのに、知らないフリをしていた、一瞬にしてそれを悟った。
この距離は幸せで、そしてとても苦しい
『阿…散井…』
話し掛ける勇気さえ
本当は
「飯いこーぜ、一護、ルキア!!」
「待てよ恋次!!」
「せっかちな奴め。」
ないんだ
私は臆病者だ