一護
□初恋オレンジ
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すっごい色だなって思った
それと同時に太陽みたいだなって思った
『またいる…。』
図書館で本を読むのが日課の私は今日も図書館に来ていた。
そして、今日も彼の姿を見つける。
私がいつも座っている席の、硝子窓と中庭を隔てた向かい側に彼はいつも座っている。
オレンジ色の髪をした、多分同じくらいの年の学生だ。
空座高校の制服来てるし
彼の名前はしらない、毎日いるから顔を知っているだけ。
本棚から引き抜いてきた沢山の本をドスンと机に置き、一番上の本を手にとる。
チラッと目を窓の向こうに向けると…
『ぁ…。』
バチっと目があった。
ドクンッ…
心臓が強く血液を全身へ送りだす感覚が支配を始める。
慌てて目を逸らし、本で顔を隠すような体制で椅子に座った。
今日まで、目なんかあったことなんかなくて、改めてと見た彼の顔は
『かっこよかった…。』
いつの間にか口に出ていた。
読みたくて選んできた本を手に持っているのに、その内容なんて一切頭に入ってこない。
どうしよう
こんな気持ち、こんなことは今までなくて…
『…ダメだ頭に入らない。』
困惑したままの頭で本の内容なんて理解できないと、私は取ってきた本達を返そうと立ち上がった。