一護

□初恋オレンジ
1ページ/2ページ






すっごい色だなって思った


それと同時に太陽みたいだなって思った










『またいる…。』





図書館で本を読むのが日課の私は今日も図書館に来ていた。

そして、今日も彼の姿を見つける。

私がいつも座っている席の、硝子窓と中庭を隔てた向かい側に彼はいつも座っている。

オレンジ色の髪をした、多分同じくらいの年の学生だ。


空座高校の制服来てるし


彼の名前はしらない、毎日いるから顔を知っているだけ。

本棚から引き抜いてきた沢山の本をドスンと机に置き、一番上の本を手にとる。


チラッと目を窓の向こうに向けると…





『ぁ…。』





バチっと目があった。





ドクンッ…


心臓が強く血液を全身へ送りだす感覚が支配を始める。

慌てて目を逸らし、本で顔を隠すような体制で椅子に座った。


今日まで、目なんかあったことなんかなくて、改めてと見た彼の顔は





『かっこよかった…。』





いつの間にか口に出ていた。

読みたくて選んできた本を手に持っているのに、その内容なんて一切頭に入ってこない。


どうしよう


こんな気持ち、こんなことは今までなくて…





『…ダメだ頭に入らない。』





困惑したままの頭で本の内容なんて理解できないと、私は取ってきた本達を返そうと立ち上がった。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ