修兵

□全くもって気に入らない
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九番隊稽古場






「俺に負けたら晩飯奢りな?」

『全く無茶をおっしゃる…』











ガツンッ!!












木刀のぶつかる音が隊舎の稽古場に響く。










「女のくせして力の強い奴だな。」

『それはどう…も…!!』












 スパンッ!!













修兵の言葉に梓はシラッと言い返し、床に左手をつき、足を払う。












「おっと。」

『ちっ…。』










しかし、払う寸前のところでかわされてしまい舌打ちをする。











 ダンッ!!













梓は床を蹴り上げ、宙を返り体制を立て直すと、再び間合いを開けて構えをとる。










「霧島さんと檜佐木さんの稽古みてっと俺もさっさとはじめたくなって来たぜ。」

「恋次、アンタはまだ当分後よ。
それにしても身軽よね〜梓。」


「でも、やっぱり檜佐木さんが押してますね。」










今日は副隊長達が隊士達に稽古をつけてやる日だったのだが、何人か副隊長が任務で不在の隊もあり十三隊合同で行っていた。


せっかくだからと、稽古の相手を乱菊さんの提案で、くじ引きで決めることになり、あたったのか梓と修兵というわけだ。













「さすがに十一番隊六席ってだけはあるな。」











 ガツンッ!!











再び木刀がぶつかり合う。











『恐れ入ります。』










ニッと笑う修兵。




少し押され気味の梓は修兵の言葉に無表情のまま答える。












全くもって気に入らない人だ












 シュンッ!!














次の瞬間、瞬歩で修兵の後ろに素早く回り込む。










とらえたッ!!










木刀を振り下ろした梓だが…












「瞬歩乱用だな。」










今度は修兵の姿が消え、後から聞き慣れた声が聞こえた。












『……どっちかですか。』












梓は首元に突き付けられた木刀を掴み、ため息をついた。













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