修兵

□修兵誕生日/2011
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『もう少しだね。』

「は?」





三日前。

俺は、訳がわからず梓の言葉に首を傾げた。





『ふふっ、何その顔?』





頭に疑問符を浮かべている俺を見ながら、梓はクスリと笑った。





「何なんだよ…?」





それが何だか悔しくて、俺はグイッとお前の手を引く。






『そのうちわかるよ。』






だけど梓はクスクス笑うだけ。



全く何なんだよって

そんときゃ少し不思議に思ってたんだ。





チャラッチャ〜♪チャッ♪





真夜中

梓から電話がかかって来るまでは…





『修兵、今日は14日だよ。修兵の誕生日だよ。おめでとう。』




ピッと通話ボタンを押し、耳にあてると、梓の優しい声が聞こえた。

あまりの忙しさに、自分の誕生日を忘れていた俺。

お盆でもある俺の誕生日は何かと忙しかったり、人がいなかったりで、祝ってもらうのは久々だった。

それに、その日の最初に梓に祝ってもらえるのは正直嬉しかった。

誰もいないことをいいことに俺の顔は緩みっぱなしだ。





『生まれてきてくれてありがとう。大好きだから。』





付き合って半年ほどたっていた。

梓の言葉に柄にもなく頬に熱が集まる。

夜中だから会いに行けないけど…
と電話の向こうから聞こえる梓の声を聞き漏らさないように耳をすませた。






「ありがとう…な。」

『朝になったら会いに行くわ。それからプレゼント、ベットの下においてあるから見ておいてね。』

「どんだけ用意いいんだよ…。」

『ふふっ、またね。修兵。』





電話の向こうの梓相変わらず楽しそうだった。



“愛しい君へ”

HAPPY BIRTHDAY
修兵










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