修兵

□花のような笑顔の人
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花みたいに綺麗に笑う人だなと思った










『傷は塞がりましたが、あまり無理をしないように気をつけてくださいね。』

「ありがとうございました。」





小さく頭を下げると、梓さんはゆっくりと目を細めた後「仕事ですから」と頭を下げた。





「あの…」


『…はい?』






今思えば
恋心と言うよりは母親を慕う子のような気持ちで貴方を見ていたのかもしれない






「ちょうど昼休憩の時間帯ですから…、昼飯いっしょにどうっスか…?」

『あら、檜佐木副隊長のお誘いを断るなんてできませんわ、私でよろしければご一緒させていただきます。』





コロコロと鈴を鳴らすような声で貴方が笑う。

つられて、俺も自然と笑っているから不思議だ。


日だまりのように温かくて優しい手、穏やかな眠りをさそうようにおっとりした声音は、自然と心が穏やかになり安心させた。





本当に好きだったんだ





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