堕ちた

□04
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侑「…………」

『…………』

ゴメン 誰でもいいこの沈黙から俺を解き放って欲しい
忍足君そのつぶらな瞳とまでは行かないがその黒目で見つめないで
一瞬可愛いと思ってしまったじゃないか

でも叫ぶとか拒絶する所が無いが見て
 少しは信用してくれているらしい

重い沈黙の中最初に口を開いたのは俺だった

『大丈夫か?』

少し離れたところからとりあえず様子見ってことで無難の話題を持ちかける

侑「大丈夫や…自分が治療してくれた?」

『いや ここは俺の両親が院長している病院さ
川合総合病院だよ』

侑「川合総合病院ゆうたらかなり有名やで…」

『そうらしいね でもそういうのは正直どうでもいいんだ
俺はどちらかと言えば庶民派なんだ


さて…』

イスから降りて忍足君に近づき…

『どうして君達みたいな中学生がボロボロなのか教えてもらおうかな』

侑「!!そ…それは…」

あ…やっぱり怯えている いきなり過ぎたか…
 でも言わなきゃこっちも対処できないし…

しかしここまで怯えている所を見ると相当何かやられたんだろうな…

そうなればやる事は俺の中では1つだ

細い忍足君の体を出来るだけ傷に刺激を与えないほうで抱きしめる

『今まで頑張ったな』

侑「…っ!!」

『最後までさ友達信じてさ
仲間だと思っていた奴らに裏切られてもさ毎日学校行って』

侑「……!…」

『でもさ これ以上溜めたら君の体が持たない
俺でよければ思ったことすべで話してよ
 地位は少し上なんだ権力関係なら出来るだけ協力するし
またみんなとテニスがしたいなら
俺が誤解を解いてやる だからまずは話してくれないか?』

侑「……っ」

泣き出した忍足君 そんな忍足君とただ静かに背中を叩いて抱きしめてあげる






侑士視点

『今まで頑張ったな』

そう言い俺を抱きしめた人はとても暖かくて

『最後までさ友達信じてさ
仲間だと思っていた奴らに裏切られてもさ毎日学校行って』

言ってほしかった言葉を掛けてくれて…

『でもさ これ以上溜めたら君の体が持たない
俺でよければ思ったことすべで話してよ
 地位は少し上なんだ権力関係なら出来るだけ協力するし
またみんなとテニスがしたいなら
俺が誤解を解いてやる だからまずは話してくれないか?』

そして家族にも見放された自分に味方と言ってくれた
最近感じていなかった温もり

涙は流さないと決めていたのに 止まらない涙
そんな情けない自分を前の子は何も言わず抱きしめ背中を叩いてくれた

その状態が続いて数分 涙は収まった



侑士視点終了













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