†本棚†
□ほのぼの
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高杉は指名手配犯だということも気にせず白昼堂々と目的地への道を歩んでいた。
目的の場所まで着き、古びた家のチャイムを押すが返事はない。いつもなら地味な眼鏡かチャイナ娘がバタバタと出迎えてくれる筈だが…
「居ねぇのか…?」
呟きつつ扉に手をかければすんなりと開いてしまい、しばらくどうしたものかと悩んだ挙げ句中へと足を踏み入れる。
「不用心だな」
まぁどうせ盗まれるようなもんもないだろうが…
ぐるりと部屋の中を見回して誰も居ないことを改めて確認する。
いつもは騒がしい部屋の中はしんと静まり返っていて何だか無性に落ち着かない。