長編

□第三十五訓 なるようになる
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高杉は、竜にくっついてちょくちょくやってくる葉月に、いつのまにか特別な思いを抱いていた。


……いや、それは同じ学舎で過ごしていた、幼い時からだったのかもしれない。




年月は流れ。



「高杉ィ、お前上の空だぞ?大丈夫か、熱でもあるのか」


「ヅラァ、違ェよ。高杉はまたどうせ葉月ちゃんのことかもしくはエロイこと考えてんだよ」


「おおそうか!おまん、この戦争が終わったら『愛の告白』っちゅーやつをしちょるつもりか?」






銀時たちのバカな会話。

それでも坂本の言うとおりだった。





すべてが終わったその時には、きっと伝える。


松陽先生にも胸を張って、言いたかった。



でも…

先生は還らぬ人となり、それどころではなくなってしまった―――。
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