長編
□第三十五訓 なるようになる
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引きずられてきたのは
「総悟っ!」
頬や額から鮮血が流れ出している。
綺麗な顔にはアザがいくつも出来ている。
真選組最強の総悟が…
こんな天人に負けるわけ…
神威は沖田から手を離した。
人形のようにばたりと床に倒れた沖田を見た瞬間、葉月は神威に掴みかかった。
が、高杉に腕を掴まれる。
「ここでお前に訊きてェんだが…。俺ァてめーを鬼兵隊に迎え入れようと思ってんだ。…皮肉な話だがお前らは俺達を潰すために日々強くなっているそうじゃねェか…。
足手まといってことはねえさ。
何よりなァ、
せめて『妹』は守ってやりてェんだよ」
今、高杉の口から語られた、真の目的。
「…。」
「この通り沖田もボロボロにしちゃったしさあ、悪い話じゃないと思うんだけど」
神威がにこやかに言う。
あたしに、決めろと。
すべてを終わらせるために、自分の居場所を…真撰組を捨てろ、と。
捨てて、大切な人を、組を守れ、と。
…あたしの答えは、決まった。