長編
□第三十六訓 傷と絆
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彼女を見ていた沖田も参戦する。
「こう、攻められてばっかじゃ満足できねェってモンでさァ。…俺ァ攻め属性なんでねィ!」
沖田の連続斬りは、囲まれた敵を全てなぎ倒した。
「真選組イチの剣…てめーらにバッチリ叩き込んでやらァ…。」
ザシャァァァ!!!
バタバタバタッ
二人は次々と、敵を斬っていく。
全神経を集中させろ。
隙を見せるな。
あたしはアンタのために
俺ァアンタのために
剣を握る――――。
『お前は逃げろ!』
『あたしのことはいいから!』
そんなの言われたって、嬉しくなんかない。
優しさなんかじゃない
最後まで一緒に戦おう――――
二人は剣を振り上げた。
それが、真選組だああああ!!!!!
*****
…とうとう立っているのは沖田と葉月だけになった。
隊服にも顔にも返り血がついていた。
あたしは振り返って、微笑む。
「終わったみたいだね…」
「…」
バタッ
え…?
「ちょっとォォ!総悟が倒れた!誰か!誰か救急車っ!!!」
…ちょっと無理させすぎたみたい…。
ごめんね、総悟。
さて、あたしはもう一仕事…。すぐ戻ってくるからね。
運ばれていく総悟を見送ったあたしは、ある人のもとへ歩き出した。