長編
□第九訓 逃げるが勝ちっていうがなあ、逃げてばっかもアレだぞ?
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「「きゃあああああ!!」」
「うるせえ!黙らねえと撃つぞ!!」
あたしはあの後すぐ、トイレに立った。
(あ〜すっきりした〜。結構いっぱい出…ん?何が起きてんだ?)
あたしの病室は、緊迫状態だった。
「きゃっ☆やだ…今の独り言、聞かれたかな…」
おちゃらけながらも、額を冷や汗がつたった。
***
「葉月…!!」
沖田は単身で向かおうとした。
土方が肩を掴む。
「待て総悟!」
「なにのんきにしてんですかィ!中には…」
「おめーが葉月を心配してることも好きなことも知ってる……だが…アイツはしばらく一人でも大丈夫だ」
「何を…」
「信じてやるんだよ、好きなら。」
「土方さんやめてくだせェ、俺ァひとっことも好きなんて…」
「1番隊に連絡しろ。俺達はいったん屯所に戻ってから向かうぞ」
悔しい…
悔しいけど
土方コノヤローのほうが
この時はよっぽど葉月のことを分かっていたような気がする。
「…無事でいなきゃ、お仕置きしますぜィ!!」