長編
□第九訓 逃げるが勝ちっていうがなあ、逃げてばっかもアレだぞ?
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テロリストの一人が人質を一人にすると言いだした。
「最後の一人を、人質にする」
その言葉で次々と人が先を争って逃げていく。
最後に残ったのは
大人たちの波で逃げ遅れた小さい女の子と、あたし。
あたしは怯える女の子に出来るだけ優しく言った。
「行きな。」
「待て。そのガキを残す。」
あたしは銃を向けられても、もう怖くない。
だって日頃からどっかのドsに刀やらバズーカやら突き付けられてんで。
「お前、なぜ逃げない」
「悪から善良な市民を守るのが仕事だからですね。…プ○キュア的な」
「舐めてんのかてめー」
葉月は女の子を抱き上げてテロリストに告げた。
「あたしじゃロリコンには不満でしょうがマニアの間ではステータスなんでね。……だから代わりにその子を逃がして。」
「貧乳に興味はない!さっさとしねーとガキもお前も殺すぞ」
「聞き分けのないテロリストだな。あと他人に言われるとすげえ腹立つ」
あたしは部屋を見回した。
なにかあるはず。
この子を助ける方法は。
女の子があたしの手をぎゅっと握りしめた。
この子を守れるのは、あたしだけ……!
「無駄だ。すべての出入り口は我々が見張った」
…あ。
「出入り口…だけ?」
あたしはとっさに女の子を抱きかかえ、窓枠に垂らした。
「貴様何を!!落とす気か!死ぬぞ!」
「ロリ好きも大概に…しろおおおおお!!」
女の子の体は宙を舞った。
続いてあたしも!!
……お願い!!
1番隊でも
ジミーでも
沖田さんでも
副長でもいい。
誰か…
受け止めてエエええ!!