長編
□第十四訓 夜はお静かに
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まず立ち寄ったのは、台所。
水でも飲もうかな、と思ったのだ。
・・・ところが、台所には先客がいた。
「フフフフ…これでいいだろう」
「ん…誰…?」
不気味な笑い声。
オイオイちょっと!怖いんですけど!
えいっ!!
あたしは思い切って電気をつけた。
すると・・・
「ぎゃああああああああ!!来るなァ!俺は信じねーぞ!見ねーぞ!」
…は?
「あッてめー何してやがる!」
「…それはこっちのセリフです。あなたこそ何してんですか、土方さん。」
土方さんは片手におたまを握り、青ざめた顔でこちらを見ていた。
「バカやろ…おどかすんじゃねーよ…あービックリした…別にビビっちゃいねーがビックリした…。…何ってお前、明日の分のマヨネーズを作ってんだ」
あの…いろいろツッコみたいんですが。
「マヨネーズならスーパーでも買えるじゃないですか。それをこんな夜中にひとりで…」
「ちげーんだよ!市販のものもいいが自家製のほうがコクがあってうめーんだよ!」
そうですか。
・・・さよなら。
「オイ水沢!何だその目は!」