長編

□第十八訓 家に帰るまでがおつかい
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ったくあのドS隊長は…!

ぶつくさ言いながらも大江戸マートに向かう。


今月は路上に行き倒れてたグラさんのオッサンに恵んであげたり新しい剣買ったりで金欠だってのに…。




店内ですばやく焼きそばパンとジャンプをつかみ、レジまで持って行った。






…と何かが聞こえる。



「んぱんあんぱんあんぱんあんぱん…」



「や…山崎さん!?」




なんか意識がとんでるけど!?




どうやらアンパン続きでまたもおかしくなっちゃったらしい。懲りないねえ…。




「ほらよっ。」




あたしはやつれ気味の山崎さんに焼きそばパンを渡した。


「…あんぱん。」


「いいかげんにしてくださいよ!職務と願かけ、どっちが大事なんですか!」



「…あんぱん」



副長ォォォォォ!!この人職務放棄してっぞ〜!



「いいから食べなさいよっ!」



あたしは無理やり焼きそばパンを山崎さんの口に押し込んだ。





一旦アンパン地獄から抜けた山崎さんは正気に戻ったようだ。





「…わかりましたよ…。ほどほどにしますから。」


「仕事頑張ってくださいね^^」




「あの!葉月ちゃん!パンは…」

「もう一つ買うからいいですよ^^…あ、やっぱ一応おかねもらっとくか。126円になりまーす♪」



…ちゃっかりしてるけど、イイ子だ。



「じゃあね!」



俺は急いで帰っていく彼女の背中を見た。



初めて来たときよりずっと大きい。




ちょっとだけ幸せな気分で見送った。
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