長編
□第十八訓 家に帰るまでがおつかい
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敵は
「そいつ」だけじゃなかったのだ。
「そっちはダミーだ」
そして頭を強く何かで殴られる。
大きな衝撃に、立っていられなくなった。
あたしを殴ったのは最初に見た男じゃなく、さっき橋の上ですれちがったほうの男だったのだ。
一般人の格好をした、攘夷浪士だったのだ。
薄れていく意識の中で、あたしは確かに聞いた。
「一番隊の水沢葉月…間違いないな」
「高杉様に伝えろ」
「これで我が一派は救われた…」
高杉…?
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